ウランバートル (Mongolia)
宿に近づきながら、僕は思い出していた。
ここは、6年前に泊まった宿だ。
Gana's Guest House。
この宿のことはよくおぼえていたが、宿名は失念していた。
予約サイトをザッと見てパッと予約した宿が、たまたま6年前と同じ宿だったという偶然。
僕はオーナー夫婦のこともおぼえていた。
奥さんも僕のことをおぼえていると言ったが、本当かなあ。
広々としたツインルーム。
44083トゥグルグ(1978円)。
屋上にゲルがあり、大都市にいながらゲル泊ができるというのがユニークだったのだが、残念ながら現在はやっていない。
6年前はゲル泊、US$5。
当時は5ドル=538円、今のレートだと758円。
4ベッドのドミトリーで、僕の他に2人の日本人がいた。
3つぐらいゲルが並んでいたはずだが、今は1つしか残っていない。
格安宿にもかかわらず、ガッツリ朝食付きだった。
現在は朝食なし。
パンデミックもあったし、依然として厳しい時代だし、仕方ない。
たかだか6年前なのに、なんだか古き良き時代だったなと。
6年前の、宿の屋上からの眺め。
現在。
相変わらずのプリウス大国。
見かける車の9割以上が日本車。
相変わらずの渋滞&バカクラクション。
6年前、宿の前の道。
現在。
残雪。
昨冬のモンゴルは異常寒波で、470万頭以上の家畜が死に、地方の遊牧民の生活は壊滅的な状況だという。
相変わらず韓国系の店が多い。
つい先日まで日常的に利用していた韓国のコンビニ、CUがそこら中にある。
6年前にもあったかな?
当時はこれが韓国のコンビニだとは知らなかったので、記憶に残っていないだけかもしれない。
ただ、コンビニの数が激増しているのはたしかだ。
商品は、日本製と韓国製が拮抗しているような感じ。
おにぎり、弁当、肉まん、カップラーメンとか、スイーツまで売ってる。
やっぱ6年前はこんなのなかったと思う。
GS25も韓国のコンビニ。
スーパーにはセルフレジコーナーができていたり。
電動キックボードで疾走する若者がいたり。
大平原の遊牧民国家というイメージがどうしてもつきまとうので意外かもしれないが、ウランバートルはふつうに大都市なので、こういった変化は何らおかしくない。
円とトゥグルグのレートは6年前とまったくといっていいほど変わっていないが、物価は跳ね上がっている。
6年前は、コーラ500mlが1100トゥグルグ(49円)。
現在は、1878トゥグルグ(84円)。
モンゴルの平均年齢は31歳。
生産年齢人口は68%。
出生率は2.14。
東アジアでこんな若き国はここだけかな。
ただ、1990年代までは出生率4.0を超えていたというから、劇的な少子化傾向にある。
経済成長も好調ではある。
しかし、人口の48%が首都ウランバートルに一極集中することで、環境汚染、渋滞、インフラ未整備、地方の過疎化、など数多くの課題がある。
標高1300m。
日中12℃、夜-5℃。
奇しくも6年前と同じ季節に来てしまった。
違う季節で体験してみたいというのはあったが、まあいろいろ都合や事情がある。
ローカルフードが食べたいのに、コリアンレストランばかりが並ぶ。
安食堂でヒツジ肉を食いまくるのが一番の楽しみだったのに、見つけられないのは僕のカンが鈍ってしまったのか、それともつぶれてしまったのか。
走行に備えて、食料や物資をドッサリ買い込む。
日本の4倍の面積がありながら、都市と呼べるのはウランバートルのみ。
ここを離れたら、一気に大無人地帯になることは前回の走行からも知っているし、フライト中もその無限に広がる過酷な大地を見た。
向かい風が吹きませんように。
Ulaanbaatar, Mogolia