稚内→網走
稚内ではホステルで。
Booking.comで予約後、オンラインで個人情報を送信、到着したら窓口のタブレットにQRをかざしてチェックイン。
今回の旅では初の、現代風宿。
宿の方も温かく迎えてくれた。
サービス充実しすぎ。
何から何まできめ細かく至れり尽くせり。
これなら何泊でもしたくなる。
今回の旅では初の、キッチン完備。
ふだんはスーパーの弁当やカップ麺を1500~2000円分ぐらい買っているが、いっこうに満たされず。
お店でおいしい海鮮も食べてみたいけど、腹が膨れそうな予感はゼロ。
エネルギーチャージするには自炊するしかない。
ドミトリー3700円(2泊目はなぜか3000円)。
他に数人の客がいるが、それぞれ個室になるようにうまいこと振り分けてくれる。
親切だな。
南米コロンビアだったかな、スタッフが部屋を掃除するのが面倒だという理由で客全員を一室に押し込めて、他のドミトリーは空室状態、当のスタッフたちは客に対して指示したり注意したりするものの自分らはろくに仕事もせず遊び呆けている、なんていうクソ宿があったことを思い出してしまった。
宿の方から、羊羹660gをいただいた。
ありがたき。
日本最北端の街、稚内。
物価は高い。
単純に輸送コストがかかるだろうし、外国人も多く訪れるため観光地価格になっているというのもあるだろう。
地元の方々は日々雪かきに追われ、除雪車も常時稼働しているが、それでも雪で歩道が埋もれて、歩行者も車道を通行せざるをえない箇所があったりする。
海外では、決して自転車を外に放置せず宿の敷地内で保管させてもらう、というのが自分の中で絶対条件となっていたが、日本、特に冬の北海道は例外。
この状況で誰も自転車を欲しがりはしないだろうし、いたずらする人がいるようにも思えないし、宿の中に入れるにしてもスパイクで床を傷つけてしまうだろう。
ただ雪で埋もれないようにカバーをかけて、風でめくれないようにがっちりセットしておいたにもかかわらず、翌朝見たら雪に埋もれてカバーも完全にめくれ上がっていた。
稚内の人口は3万人。
この過酷な僻地で小村だったら心細いだろうけど、ある程度大人数で一緒に住めば安心感あるかもしれない。
しかしここも人口減少が著しく、過疎化の一途をたどっている。
稚内中心地より南稚内の方が商業的に栄えており、マックやすき家やダイソーもある。
宗谷岬へ。
稚内と宗谷岬はワンセットのようなイメージだが、30kmほど離れている。
向こうに見える陸の先端が岬かな。
当初は利尻島と礼文島も行くつもりだったが、この先ずっと雪予報。
予報もあてにならんけど、本土よりも島の方が荒れるそうで、利尻富士も何も見えない状態で島をめぐったところで何だかなー、ということで今回は断念。
日本最北端、宗谷岬。
旅人たちがめざし集結する最果ての地。
ローシーズンとはいえ、少数ながらも記念撮影する人が絶えない。
ほとんど外国人だったけど。
これにひきかえ、本土最南端の佐多岬はなんと人気ないことか。
北半球だったら北の果てをめざし、南半球だったら南の果てをめざす方がロマンがあるのかもしれない。
↓2001年。
24年前にここに来た時は、たまたまちょうどペルセウス座流星群で、星の降りそそぐもと、宗谷の原っぱで寝た(当時はテントを持っておらずマットとシュラフだけで寝転がっていた)。
当時はフィルムカメラで、もちろんスマホは存在していなかった。
人類の長い歴史の中で24年なんてほんの一瞬だが、この一瞬でどれだけテクノロジーが飛躍したことか。
縄文人が1万年かけてどれだけ進化したのかを考えると、たまたま自分がこの爆発的進化の一瞬に生まれ落ちたことが実に奇妙に思える。
でもこの岬は、変わってないな。
「最北端」を謳う食堂などは軒並み閉業中。
休憩所も閉まっており、腰を下ろして休むこともできず、すぐに出発。
岬を発ってまもなく、雪雲に覆われた。
オホーツク海。
またすぐ晴れ。
北海道の面積は、アイルランド島とほぼ同じ。
スリランカよりは大きいが、アイスランドよりは小さい。
人口は522万人。
都道府県では最も人口密度が低く、中でも道北から道東にかけては特に希薄。
とはいえここは過密なアジア、この小さな島に500万人もいれば、スーパーもコンビニも自販機もそこらにあり、水と食料を切らす心配はない。
どんな田舎でも、コンビニのクオリティは全国均一、すごいことだ。
例によって野生動物は、車は無生物の物体として認識するので安易に接近できるが、自転車は謎の生物として認識して警戒モードになるので、撮影するのも簡単ではない。
僕が立ち止まると、シカたちは甲高い声を上げて仲間に注意を呼びかける。
皆さん一同、僕をジッと見つめてフリーズする、緊張のひととき。
そして一斉に逃げる。
道の駅、猿払。
この道の駅は、フルコースでサービスがそろっている。
ゴミ箱以外は何でもある。
ホテルは高すぎ。
レストランも高すぎ、しかもこの日は週1回の定休日。
温泉もあるが、この日は週1回の定休日。
キャンプ場はもちろん閉業中、除雪されていないので近づくこともできない。
トイレがある建物に広い休憩所があり、利用時間は限定されているようだが実際は24時間立ち入ることができて、そこで寝ても何も言われなさそう。
でもまあ、外で気持ち良くテント泊。
追い風や~
変わりやすい天気。
降ったり晴れたりの繰り返し。
ああ、美しい。
オホーツク海沿岸のこの道路は国道だが、交通量は少ない。
フラット。
圧雪。
そして追い風。
パーフェクト。
ああ、冬の北海道。
最高に気持ち良い。
川を流れる雪や氷。
流氷みたいだなと思ったら、ふつうに除雪車が雪を川に捨てていた。
各地域に雪捨場というのがあるようだが、川や海に捨てるのが一番楽だろう。
日焼けがひどい。
顔だけ真っ黒になりつつある。
これは想定してなかったので日焼け止めなんて持ってない。
しかもこれからずっと南下だ。
晴れたり降ったり。
海側は晴れているが、山側からは雪が吹きつける。
やはり、雨より雪の方がはるかに良い。
今回の旅の雪がすべて雨だったらと考えると、とっくに戦意喪失していただろう。
雨の日に自転車に乗っても何にもいいことない。
でも雪はいい。
今さらだが、自分の国を旅するって、ほんっと楽チン。
ビザとか滞在期限とかないし、言葉通じるし、常識やマナーを容易に共有できる。
しかもここは、世界でもトップクラスの超絶優秀な、よくできた国。
旅はイージーになるほど刺激が失われるものだが、111ヶ国を見てきたこの目で改めてこの国を見つめると、他国にはないこの国のユニークさに目を奪われる。
吹雪くと視界が失われる。
山岳地帯で雲や霧の中を走行するのに近い。
こんな状況でもライトをつけずに走ってる車がいるけど、死にたいのかな。
枝幸という街、古びたビジネスホテルで1泊。
4300円。
稚内の最新ホステルとは対象的に、昭和のまんま。
風呂トイレ共同、Wi-Fiなし。
でも古くてボロくてもさほど不便さは感じない。
仕事の出張で宿泊する人が一定数いるようで、競争原理が作用しなければホテルは古いままでも生き残る。
また雪。
クマやシカが駆除される一方で、キタキツネは害獣指定されてるわけではないのかな。
人間がつくりだした環境や状況によって駆除されたり保護されたり、動物も大変だな。
また晴れ。
雪が減ってきた。
なんだか緑が増えてきた。
気温上昇。
みるみる雪が溶けて路面露出。
やめて~
歩いて旅している人に遭遇。
新千歳空港から海岸沿いを時計回りに、現時点で2ヶ月弱、この冬まるまるかけて北海道を一周するそうだ。
これは壮大。
自転車のスピードなら食料や物資の補給には困らないが、徒歩は次元が違う。
スピードが変われば見える世界も変わってくる。
これはリスペクト。
いかん、完全にノーマルな路面になってしまった。
スパイクタイヤでアスファルトを走るのはよろしくない。
傷つけるし摩耗するし、摩擦が大きすぎてペダルが重い。
ちなみに今まで使用していたノーマルタイヤは、札幌の職場の倉庫に預けている。
サロマ湖。
海とつながった汽水湖。
日本最大の汽水湖。
湖としては、琵琶湖、霞ヶ浦に次ぐ3位の大きさ。
凍ってる。
道の駅、サロマ湖。
道の駅の裏の丘に、広々としたピクニックエリアあり。
虹。
よく見ると、3本の虹。
2本の虹が水面で接し、湖に反射してX状に交差している。
こんなの初めてお目にかかる。
Geminiに聞いてみた。
「二本の虹が接することはありますか?」
二本の虹が接することはありません。
虹は、太陽の光が空気中の水滴で屈折し、分光されてできるものです。通常、虹は円弧状に見えますが、地上から一部しか見ることができないため、弧のように見えます。
二本の虹ができる場合、内側の虹を主虹、外側の虹を副虹と呼びます。主虹と副虹は、光が水滴の中で反射する回数や角度が異なるため、常に平行に現れます。
まとめ
* 虹は、太陽の光が水滴で屈折してできる。
* 二本の虹ができる場合、主虹と副虹は平行に現れる。
* したがって、二本の虹が接することはない。
もし、二本の虹が接しているように見えた場合は、錯覚や、別の光源による現象の可能性があります。
なんと、雨。
1月の道東で雨!?
日中最高気温、なんと2℃。
1月の道東で2℃!?
こんなの求めてないよー。
雪は溶け、道路は水浸し。
ダメだこりゃ。
流氷も溶けちまうぜ。
北海道網走市
1057km