世界を走り倒す旅行記 4

標高600m、メディナ。 第二の聖地。 メッカで生まれイスラム教を創始したムハンマドは支配層から追放され、メディナに移住して布教の拠点とし、632年にここで没した。 メッカは依然として市内全域が非ムスリム禁制だが、メディナは2019年より解禁。 モスク内部は許可されないが、市内を訪れる分には問題ない。 これもムハンマド皇太子によるビジョン2030に向けての開放改革のひとつ。 入国してから1000km以上走って、初めての都市らしい都市。 人は親切でも、交通は容赦ない車優先社会。 道路を横断するのも一苦労、特にラウンドアバウトがおっかない。 極度の車社会だけど、都市にはこんなものもあるのね。 時々自転車に乗る人や、e-Scooterでかっ飛ばしている人もいる。 思っていたほど厳粛な空気は感じない。 撮影を咎められることもない。 ここはふつうに女性もたくさん歩いている。 同伴なしで単独でも大丈夫なようだ。 一度だけ、女性が車を運転しているのを目撃した。 2018年より、女性の自動車運転が許可されるようになった。 これもまたムハンマド皇太子によるビジョン2030改革のひとつ。 女性が自転車に乗るのは今も禁止されているらしい、もっとも男性でも自転車に乗る人は少数だが。 日本のように信号だらけなのもストレスきわまりないが、信号がなさすぎるのも困りもの。 車は歩行者に譲らないので、流れが途切れるわずかな瞬間をねらってすみやかに渡るしかない。 でも、皆で渡れば怖くないというのもたしかに真理で、モスクへ向かう大量の人々には車も渋々止まってくれる。 皆、同じ方向へ。 全身黒衣装の女性はサウジアラビア人と思われるが、世界各地から信者が巡礼に来るので多種多様な衣装が見られる。 メディナ中心部にある、預言者のモスク。 このモスク内部に、ムハンマドの霊廟がある。 イスラム教徒でなくとも、こういう場の空気を直に体感すると、グッとこみ上げてくるものがある。 来れてよかった。 退散。 物を売っているところを車が通ろうとしてクラクションを鳴らしている。 翌日。 クバーモスク。 イスラム史上最初のモスク。 基礎となる石はムハンマド自らが置いたという。 また預言者のモスクへ。 ビル内はショッピングモールになっているが、宝石とかアクセサリーとかばかりでまるで面白くない。 みんな大好き、マクドナルド。 テイク