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アウストラル街道 4 コヤイケ→プエルトリオトランキーロ (Chile)

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晴天時しか写真を撮らないので伝わりにくいかもしれないが、変わりやすい天気で雨がよく降る。 たいして進んでなくても、雨が迫ってきたらキャンプ場に逃げ込む。 屋根付きテントサイトというのは実に嬉しい心遣い。 立派な避難小屋。 冷蔵庫、キッチン完備。 もちろん電源、Wi-Fi、ホットシャワー、問題なし。 他に客はおらず独占。 6000ペソ(939円)。 ぼちぼちパタゴニアの暴風域にさしかかってきたのか、強烈な西風。 山道なので風を受ける方向は変わりやすいのだが、おもむろに横から突風をくらい、とっさにブレーキをかけるも制御不能となり、ガードレールに打ちつけられた。 パタゴニアの風はしんどいとかいうレベルではない、15年前のアルゼンチン走行では本当に身の危険を感じた。 チリ側は山と森が壁になってくれて多少は和らいでいると期待したい。 雪崩? 氷河? 標高1100mほどの峠。 アウストラル街道ではこれより高くなることはない。 晴れていればこんな風景を楽しめるのだから、やはり無理して雨天走行なんてしない方がいい。 でも風つええ。 セロカスティージョ(2675m)。 セロカスティージョの街のキャンプ場、8000ペソ(1252円)。 避難場所となる巨大テント。 ガスコンロ、冷蔵庫あり。 冷蔵庫は不要なぐらいの気温になってきた。 街にはミニスーパーがあり、基本的な食材や日用品は入手できるが、割高。 売ってるだけでも助かる。 そして食費というのはケチっていてもいずれガマンできなくなる時が来る。 食欲には勝てん。 怖くて値段を確認せずに勢いで買ってしまった豚。 田舎のミニスーパーでは肉は冷凍で売っており、解凍に少々時間がかかる。 チリの豚肉は程良い弾力、うめえ。 しかしいくら食っても腹は満たされない。 予報を見てもうわかっていたのだが、翌日は丸一日雨のため連泊。 また嵐のような激しい風雨。 コヤイケで十分休めたので体力はあり余っており、できれば走りたいのだが。 コヤイケ以降、街でも電波がまったく入らなくなり、ネットはWi-Fi下のみ接続可。 来月の半ばぐらいまでの分をすでに払ってるんだけどな。 街中でも電波なしって、地元民は携帯はどうしているのだろうか。 翌日も雨。 急ぐ理由もないので停滞。 予報によると、この日以降はしばらく降らない。 降雨が最も多いのが冬で、最も少ないのが夏。 なので少

アウストラル街道 3 コヤイケ (Chile)

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アウストラル街道中で最大の街、コヤイケ。 人口5万人。 パタゴニア山中の僻地とは思えない。 大型スーパー2軒。 アウトドアショップあり、自転車屋あり。 プエルトモントで気張って物資を備えなくても、ここでも必要な物はそろう。 アウストラル街道、噂に聞くほど過酷ではないのか。 まだ前半なので後半はそう甘くないかもしれないけど。 金曜に到着。 街の中心から近いキャンプ場。 8000ペソ(1230円)。 3泊したいと伝えたら、土曜日は閉業だから1泊しかできないよ、と言う。 毎週土曜は閉業なのか、それともこの日だけ特別なのかは確認しなかったが、宿泊施設でそういうのはやめてよ。 HPもチェックしてからここに来たのに、そういう大事なことは書いといてよ。 翌日。 別のキャンプ場へ移動。 中心地からやや離れていて立地は良くなく、設備はボロい。 6000ペソ(922円)。 でもここの爺さんは気さくで人がいい。 ボロいけど必要なものはそろっている。 シュラフシーツやフリースなど、しばらく使い続けていたものをまとめて洗濯して天日干しして、スッキリ。 日本の登山家がクマに襲われて撃退した動画、こっちでもニュースになってます。 3日目の昼、銀行のATMへ。 カードを挿入したら、フリーズしてしまった。 いくら待ってもまったく作動せず、カードも出てこない。 旅仲間から幾度か耳にしたことがある、ATMにカードを飲み込まれるという世にも恐ろしいトラブル。 絶対そんなの御免だわと思っていたが、とうとう僕もその憂き目に。 店内の係員のオバちゃんに伝えると、番号札を渡されて待つように言われた。 いやいや、そういうんじゃなくて緊急だからすぐさま対応してくれよ、アホか。 オバちゃんは仕方ないわねといった表情で奥の従業員を呼びに行った。 若い女性従業員が出て来て、仏頂面で「今は無理、4時にまた来い」と言う。 は!? ATMのトラブルに即時対応できないとか、舐めてるのかな。 もししばらくしてから不意にカードが出てきたりして、誰かに取られたらどうするんだ、責任取れるのか? いや、こいつらを見てると責任なんて概念は微塵もなさそうだ。 自分は何も悪くないと言わんばかりのツラをして、それどころか僕の方が何か悪いことでもしたかのような強い口調で、とにかく今は無理だから4時に来い、の一点張り。 その仏頂面をブン殴ってやりたい衝

アウストラル街道 2 チャイテン→コヤイケ (Chile)

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静寂。 静かだし、景色も良い。 ただ、結局またファームになってしまった。 ファームではすべての土地が私有地、フェンスが張りめぐらされてフリーキャンプは難しくなる。 水も、見た目は澄んでいても家畜の糞尿が混じっていそうで飲む気になれない。 舗装と未舗装が交互に現れる。 舗装路は比較的新しいのだろう。 交通量が少ないのできれいな状態で維持されている。 静寂。 標高600mほどの峠を越えて。 小さな街のキャンプ場で。 ミニスーパーの敷地の庭みたいなスペースをキャンプ場としている。 道路から丸見えで、防犯も何もない。 電源なし、Wi-Fiなし、水シャワー。 5000ペソ(766円)。 防犯はともかく、スーパーに来る客が買い物中に車のエンジンをかけっぱなしにするので、うるさくてかなわない。 とっとと全世界で全EV化してくれれば静かになるのに。 それから全自動運転化の時代が来てくれれば、煽り運転もなくなるしクラクションも全撤廃されるだろう。 爆音BGMも、迷惑以外の何物でもない。 どうして爆音BGMを鳴らすヤツって、どいつもこいつも似たようなドコドコ系の音楽になるんだろう? 南下するほど気温が下がるはずだが、逆に気温上昇。 夏到来ということだろうか。 なぜか17時ぐらいが最も暑く、この日はなんと25℃を超えた。 テントに日が当たるととても中にいられず、食料も悪くなりそうなので日陰に避難させる。 昼夜の寒暖差が激しいと、朝露が発生する。 テントも洗濯物も、朝になるとぐっしょりと濡れている。 どの街にもキャンプ場がある。 どこも道路から丸見え、防犯も何もない。 この日は誕生日。 ケーキのひとつでも買いたいところだが、あいにく小さな街のスーパーでそんな気のきいたスイーツなどない。 それでもいつもより食材を増やして奮発した。 旅先で誕生日を迎えるのは何度目だろう? ずいぶんと年をとったものだが、世界一の超高齢化社会日本では、僕の年齢でもまだ平均より若い。 どう見たってもうオジサンなのに、平均年齢との比較だとまだ若年層、驚くべきことだ。 自分はいつ死ぬのだろう? 人生とっくに折り返しているものと思っていたけど、もし100歳まで生きるとしたら、まだ半分にも達していない。 確実に衰えゆく身体であと半分以上って、人間はやはり自然界ではありえない存在だ。 死ぬのは怖いけど、生き続けるという膨大な