パナマシティ→パソカノアス (Panama)
パナマシティ滞在時に運河を見学しようと思ったのだが、けっこうな額の入場料をとられるようなので却下。
通行料で潤ってるんだから見るぐらいタダで見せてくれよな。
ただ、運河自体はシティから離れる道中で見ることはできる。
空港からシティに向かった時は、アメリカ橋という巨大な橋で運河を越えた。
でもそこは河口で、運河というよりは限りなく海。
眺めは良かったが、道幅がギリな上に交通量が多く、とても立ち止まって眺めを楽しむ余裕などなかった。
今回はちょっとまわり道して、やや内陸にある橋で運河を越えてみた。
この橋は自転車が通れる十分なスペースがあり、立ち止まってゆっくり運河を眺めることができる。
大型船が通過する時刻などチェックしていなかったが、たまたまこのタイミングで、船がやってくる気配が。
しかもこの長い橋で、たまたま自分が立ち止まった場所の真下を通過。
無料の特等席。
アメリカ大陸のくびれをぶち抜いた、人類史上最大の土木工事。
巨大な船舶が山を越え、太平洋から大西洋へと突き抜ける。
金網がボロボロだったおかげでうまいこと写真撮れた。
中米は道路があまり網羅されておらず、通る道はだいたい決まってくる。
パナマを貫通する幹線道路はハイウェイタイプで、いかにもアメリカンなファーストフードやショッピングモールが軒を連ねる。
中米は1ヶ国の滞在期間が短いのでSIMは買わず(気が向いたら買うけど)、時々街道沿いの店に立ち寄ってWi-Fi接続する。
路面は粗悪。
路肩はおろか車道もボコボコ。
不意に路肩が消失したり復活したり、と不規則。
また、裕福な国ほど道がひどいという逆転現象か。
コロンビアやペルーの幹線道路は実に快適だったのに。
ドライバーも粗悪。
自分優先、自分中心で、性懲りもなくクラクションを鳴らすキチガイジども。
アメリカの運河建設によって局所的に豊かになっただけで、全般的には原始的。
Facebookのフィードで、こんな画像が流れてきた。
"Map of honking culture"
(クラクション文化圏マップ)
赤がクラクション文化圏、青が非クラクション文化圏。
赤と青とでは、まるで異次元の音世界。
時代の流れによる進化があり、今はメキシコやブラジルやボルネオなどではあまり鳴らない、中間的なグレーゾーンを付け足すか、あるいは色に濃淡をつけた方がいい。
ナミビアとボツワナが青になっているのは単に人口密度が低すぎて車の数が少ないせいだろうか、あとスウェーデンのように一見先進国でも移民だらけの国では鳴る。
何にせよ、人間が運転するからクラクションが鳴る。
AI統制下の完全自動運転が実現すれば、クラクションが鳴ることはない。
いやそれ以前に現時点でも、クラクションの必要性など1ミクロンたりとも存在しない。
人類史上最悪の発明品、人間の持つあらゆる醜さが詰め込まれた最悪のノイズ製造機を今なお生産し続けている自動車メーカーも、これらの汚染地域に行ってクラクションの有害性と不要性、罪深さを知るべし。
鳴らす愚か者を駆除するよりは、クラクション自体をこの世から駆逐してしまう方が早い。
「石投げ文化圏」、「イヌ野放し文化圏」、「イヤホンせずにスマホ鳴らす文化圏」、などのマップも簡単につくれそうだ。
そしてこれらはいずれもクラクション文化圏の内側で重なり合いそうだ。
パナマは宿も少ない。
可能な限りみすぼらしいボロ宿、$25(3499円)。
着いた直後、土砂降り。
いろいろガタついていてなにかと調子が悪く、そしてWi-Fiなし。
支払いは当然のごとく現金のみ。
このレベルのロークオリティ&ハイプライスは西アフリカ以来だろうか。
ただ唯一の救いとして、ここにはエアコンがある。
Wi-Fiがなくてもしゃあないかですむが、エアコンなしだとしゃあないじゃすまない地獄、こういう時に優先順位がはっきりする。
田舎街でもどこでも、ミニスーパーが多数ある。
ほぼ全店といっていいほど、中国人経営。
今やハイテク先進国の中国だが、ここにいるのは20年ぐらい前の中国人といった感じで、店内はエアコンも扇風機もなくサウナ状態、勘定はどデカい電卓で、支払いはもちろん現金のみ。
たいていは無愛想で無言だが、時々日本語で「アリガト」なんて言われることもある。
ここもマンゴー。
たくさん落ちてる。
本日のフリーランチ。
とにかく暑いので、なるべく朝早く日の出と同時ぐらいに走行開始。
2Lのコーラが瞬時になくなる。
午後はもうやってられず、昼過ぎぐらいには切り上げる。
風車を見るのは久しぶり。
僕は風車の作業はロープのみ、ゴンドラには乗ったことない。
これはゴンドラじゃないとできない作業なのかな。
大がかりだな。
道はずっとアップダウン。
出た、アメリカ人が大好きなガタガタ。
この上を走行すると、自転車がぶっ壊れそうなほどの衝撃。
危ないから、ガタガタが好きなら路肩じゃなくて車道の中につくってくれ。
このガタガタを避けようとしただけで後続車からクラクションを鳴らされる、死ね土人。
雨が降るとガタガタに水がたまるし、ろくなことない。
サンティアゴという街に、ホステルあり。
たいして大きな街でもなく、ホステルの立地も辺鄙なところ。
ドミトリー$14(1959円)。
ここはエアコンあり、しかもリモコン操作の権限が客に与えられている。
これだけでもホッとする。
サンティアゴとダビッドという街の200km区間には、宿らしきものがほとんどない。
でもちょうどその中間地点にキャンプ場あり。
キャンプ場という看板は出ておらず、事前に下調べしてなかったらまずわからない。
門も閉まっており人気もなく、不安でいっぱいだったが、敷地に入ったら気のいいおじさんが迎えてくれた。
$10(1399円)。
Wi-Fi以外の必要なものはそろっている。
テント設営後、雨。
無風の熱帯夜。
まとわりつく湿気、ハンパない不快度指数。
微風でもいいから風吹いておくれ。
日付が変わってもまだ寝れず、ひたすら扇子で仰ぎながら、深夜2時ぐらいになって寝落ちした。
翌朝。
キッチンの流しに何かいる。
コウモリか。
流しから脱出できずもがいていたので、逃がしてあげた。
生まれたばかりでまだ飛べないのかな。
この辺はパンク多発地帯で、1日2回ペースでパンクする。
バーストした車のタイヤが路肩に無数に散乱しており、タイヤに含まれる細かいワイヤーの切れ端が自転車のタイヤに突き刺さる。
自転車旅におけるパンクの原因としてはこれが一番多い。
ダビッドという街、ホステルあり。
Joe's Layover Hostel。
ドミトリー$10(1399円)。
エアコンなし、扇風機のみ。
ここはスタッフも客も多国籍で、パナマ人はほとんどいない。
全員が流暢な英語を話し、ラテンアメリカにいることを忘れさせる。
世界中どこへ行っても、僕の自炊メシを見て皆、「いい匂い!」「おいしそう!」「これひとりで食べるの!?」と毎度同じリアクション。
連泊。
エアコンがないのがちょっとキツイが、休養目的もあり、皆フレンドリーで人が良いというのもあり、そしてなんといってもここにはギターがある。
宿周辺の住宅街。
アメリカンだな。
Rio Claro, Costa Rica
17693km (Total 154387km)