リバス→マナグア (Nicaragua)
ニカラグア入国。
こちらも長蛇のトラック。
この国境を越えるのにどれだけ待つのだろうか。
パナマ運河を越えるよりかかりそうだな。
ニカラグア湖。
淡水湖としては世界で10番目に大きい(琵琶湖の12倍)。
向こうに見えるのは、2つの火山を有するオメテペ島。
パナマとコスタリカはほぼ無風だったが、ここはニカラグア湖から風が吹き、多少なりとも熱を冷ましてくれる。
湖畔には無数の風車。
ニカラグアの面積は北海道+九州ほど。
メキシコを除く中米では最大。
人口は630万人。
メスティソ69%、ヨーロッパ系17%、アフリカ系9%、先住民5%。
主産業はコーヒー、バナナ、サトウキビを主とする農業。
1980年代の内戦は、アメリカの傀儡政権に対抗する反政府組織をソ連が支援するという米ソ代理戦争であった。
内戦に加えて、ハリケーンや地震などの自然災害の多発がインフラ整備を妨げ、現在経済成長はしているものの、南北アメリカ大陸+カリブ海地域ではハイチに次ぐ貧困国。
最初に現れる街、リバス。
街の風景が一変。
自転車タクシーに馬車。
店先で肉を焼く匂い。
歩いているだけで「アミーゴ!」と声をかけられる。
アメリカ仕様にされたパナマ&コスタリカとは全然違う。
これこそが中米のイメージ。
オメテペ島のコンセプシオン山(1610m)がそびえる。
予約していた宿に着くと、こんな貼り紙が。
Hostal Brisas del Omeptepe。
心底人の良さそうな主人が出迎えてくれた。
おそらくBooking.comに記載されている僕の電話番号からWhatsAppのプロフィールを見て、僕が自転車で旅をしていることを知ったのだろう。
宿の人とWhatsAppで連絡を取り合うのはごくふつうのこと。
愛らしい自転車の絵と、上手なひらがな。
心温まる歓迎、うれしい。
広々としたシングルルーム、555コルドバ(2157円)。
エアコンなし、扇風機。
共用キッチン、冷蔵庫あり。
一見ベーシックだが、細部に気遣いが見られ、ゆっくりくつろげるようになっている。
オーナー夫婦はスーパーフレンドリーでどこまでも親切、かといって過度に干渉もせず。
こんなにも誠実に気持ちが伝わってくる宿は、なかなかない。
今回のニカラグアで、ネガティブな記憶が入国早々みごとにひっくり返された。
部屋にイヌやネコが入ってくることはめずらしくないが、ここはニワトリが入ってくる。
時々フンをするので追い出し、ドアを閉める。
でも暑くてかなわずドアを開けると、すぐさまスッと入ってくる。
よほどこの部屋が好きなのか、それとも僕のことが好きなのか。
でも僕が立ち上がって動くたびに、大げさに「ギャー」と声を上げて逃げまわる。
なんじゃこいつ。
1泊だけのつもりが、2泊。
パナマからコスタリカにかけての暑さ疲れ&物価高疲れがたまっており、ここに来てホッとしてしまった。
最後までやさしくしてくれた主人。
本当にありがとね。
物価は、パナマ&コスタリカの異常値から数ランク下がり、一応の落ち着きは見せた。
しかし、安いとはまったく感じない。
スーパーで売っている小さなカップアイスが52コルドバ(201円)。
100円で買えるような物といったら、幼児向けのミニミニアイスかミニミニヨーグルトぐらい。
スーパーのラインナップは、コスタリカで見た商品と似ている。
自国生産力が弱いと多くの物品を輸入に依存し、スーパーに並ぶ商品は割高になる。
こんな時こそローカルなメルカドがあったりすると助かるのだが、あいにくニカラグアもアメリカンな方向へ進んでおり、真新しい小ぎれいなスーパーができている。
宿代も、予約サイトを見渡した限り、ニカラグアとは思えぬ相場。
2006年にニカラグアを旅した時も、この手の看板を何度か見た。
もうだいぶ古びたな。
パナマ&コスタリカと比べると経済レベルは格段に落ちたはずだが、意外にもクラクションはあまり鳴らない、まったく鳴らないわけではないが。
ニカラグアでクラクションが鳴らないなんて、一体誰が想像できただろうか。
首都マナグア。
予約した宿にチェックインしようとしたら、まだ早すぎるというので、自転車と荷物を置かせてもらって、街を散策。
宿から徒歩数分でこんな公園が。
日本がつくった日本風の公園というだけで、もちろんここに日本人がいるわけではないし、何か日本のおいしいものが食べられるというわけでもない。
日曜日ということもあってか、けっこう盛況。
なんとなく日本のお祭りのような、焼きそばとかたこ焼きとか売ってるイメージをしてしまったが、そんなわけなく、皆さんピザみたいなのを食ってた。
それから、近くのショッピングモールを散策。
ニカラグアのイメージにはそぐわないが、他のラテンアメリカ諸国と同様、近代的なショッピングモールに人々が集う。
マクドナルドに入って軽く食べた。
近代的とはいっても、店員の接客はいたって雑でぶっきらぼう、客のマナーもひどく、こんな雑然としたマクドナルドは日本にはないな。
そしてここも決して安くはなく、1000円以下ですむことはない。
シェイクがなかったのが悔しかった。
マクドナルドに行く楽しみの半分以上はマックシェイクだというのに。
Managua Backpackers Innで1泊。
ドミトリー506コルドバ(1962円)。
エアコンなし、扇風機。
プール付きのホステルだが、幸いパナマ&コスタリカのような欧米人仕様のリゾート感はなく、静かで落ち着ける。
ドミトリーでは必ず下のベッドを確保するものだが、扇風機の風が当たらないと死ぬので今回はあえて上のベッドを。
でも湖からの風のおかげだろうか、パナマ&コスタリカと比べていくらか暑さがやわらいだかもしれない。
ニカラグアに入ってから蚊が激増。
日本にいた時からうすうす気づいていたが、僕は蚊に刺されやすいっぽい。
現地人との比較ではもちろんのこと、他の旅行者と比較しても、いつも僕ひとりで掻きむしりまくっている。
ただ、刺された後の回復の速さも人一倍っぽい。
虫除けスプレーがあまり効かず、最近買ったばかりのものがもうなくなりかけている。
虫除けスプレーも安くない。
Managua, Nicaragua
18347km (Total 155041km)