グアサウレ→エルアマティージョ (Honduras)
ホンジュラス入国。
ここも長いね~。
経済レベルがまた一段と落ちた。
手作りの掘っ立て小屋のような家が並ぶ。
印象としてはここが中米最貧。
子供も大人も、僕を見て「Adios!」と言ってくれたり、なにやら叫んだり、手を振ったりしてくれる。
ホンジュラスの国土は日本の3分の1ほど。
人口は945万人。
メスティソ90%、先住民7%、アフリカ系2%、ヨーロッパ系1%。
主産業はコーヒーやバナナを主とする農業。
広大な国土の南米諸国に対して、なんとも狭小な中米諸国。
スペインからの独立直後、パナマはコロンビアの一部であったが、その他はすべてメキシコ帝国となった。
大コロンビアと同じく、メキシコ帝国もヨーロッパ列強に対抗できるような強大な中央政権国家をめざしたが、わずか1年で崩壊。
その後はメキシコ以外は中央アメリカ連邦となったが、15年で崩壊。
中央アメリカ連邦の5つの州が独立し、現在のグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカとなった。
この時点で、ラテンアメリカの中でも特に中米のまとまりのなさがすでに際立っている。
中米諸国は地理的条件や歴史的経緯に共通項があり、それらが発展を妨げる要因にもなっている。
・アメリカによる棍棒外交
・繰り返される軍事クーデター
・政治腐敗と汚職
・内戦
・隣国との紛争
・コカイン中継地
・モノカルチャー
・ハリケーンによる壊滅的被害
ホンジュラスはこれらをもれなくとりそろえており、特に1998年に直撃したハリケーンで甚大なダメージを負い、経済も政情も安定せぬまま、2009年にも軍事クーデターが起きている。
ニカラグアと同じく、中華人民共和国と断交して中華民国と国交を結んでいたが、2023年3月に逆転。
10万人あたりの殺人件数は世界1位。
2位のベネズエラを大きく引き離して、堂々のぶっちぎり。
日本は194ヶ国中193位。
ホンジュラス走行はわずか130kmほど、1泊2日で突き抜ける。
売店に立ち寄ってペプシ3Lと棒アイス1本を買ったら、90レンピラ(523円)。
高いな。
サンロレンソという街で1泊。
街一番のとびっきりボロい宿を突撃。
お値段なんと、800レンピラ(4651円)。
エアコンこそ付いているものの、古めかしくて汚くて気の利かない底辺宿。
高めに見積もっても、せいぜい1500円ぐらいがいいとこ。
円安だから高く感じるだけだろうと言われるかもしれないが、ここはドル払いだとUS$38だそうだ。
中米で38ドルといったら、Holiday InnとかComfort Innなどに泊まれるレベル、どうしてこうなった。
パナマとコスタリカの低辺宿でもそこまで高くなかったぞ。
深夜、雨の音で目がさめた。
暑ッ、と思ったらエアコンが止まっている。
停電だ。
雨が降り出すと停電したり断水したりするこの法則性は何だろう?
1時間ほどで復旧したが、この間はやはり眠れなかった。
西アフリカほどのひどさではないが、やはり思い出してしまうな。
インフラもろくに機能していない原始社会で、先進国並みの宿代。
ここもいろいろ狂って、経済がバカになってしまっている。
パナマとコスタリカだけが異常かと思いきや、どうやら中米全域がこんなノリになってしまっているのか。
もはや中米には安息の地はないのか。
Santa Rosa de Lima, El Salvador