アルゼンチン(Cancha Carrera)→チリ(Cerro Castillo) 国境越え
アルゼンチン側
チリへ行くには、幹線道路から逸れてまた未舗装。
6kmほど進むとイミグレーションが現れる。
ここは、アルゼンチンのロスグラシアレス国立公園とチリのトレスデルパイネ国立公園という二大観光地を結ぶルートであるため、こんな辺鄙なところでもけっこう多くの外国人旅行者が通過する。
僕が到着した時も大型バスが停まっていたので気が重くなったが、意外に待つこともなくスムーズにいった。
窓口が2つあり、まずはパスポートチェック。
次に、よくわからない紙にスタンプをもらう。
入国時にはパスポートにスタンプをもらったが、出国時はパスポートではなく別紙スタンプになる。
これで出国完了。
所要5分。
チリ側
さらに2kmほど進むと国境。
チリに入ると舗装路。
まだ新しいのか、路面も標識もきれい。
とりあえず国境付近は整備して立派に見せておくという隣国へのマウンティングは他の国でも見てきた。
アルゼンチンもせいぜい頑張って舗装を進めてくれ。
チリ側のイミグレーションは、国境から6kmほどのセロカスティージョという街の入口にある。
こちらはややこしくて面倒。
1.
本館とは別のプレハブでワクチン証明を提示する。
まだこんなことやってんのか、ワクチン証明なんてほぼ忘れかけていたがアプリは残してある。
入念にチェックされることはなく、画面をパッと見せただけでOK。
2.
本館に入り、窓口1~3の順に手続きを進める。
窓口1はポリスによるパスポートチェック。
アルゼンチンでもらったよくわからない紙にまたスタンプをもらう。
チリ側でもパスポートにスタンプは押されず、別紙スタンプになる。
3.
窓口2で自転車持込申請書の作成。
前回のチリ出国時に提示を求められたもの。
自転車について質問に答えるだけで、書類の作成は係員がやってくれる。
4.
窓口1に戻り、また例の紙にスタンプをもらう。
窓口1にはすでに人が並んでおり、また待つことに。
こういう効率の悪いことやめてくれないかな。
5.
再び窓口2へ行き、プリントアウトされた自転車持込申請書にサインをする。
6.
窓口3でSAGと呼ばれる動植物に関する検疫。
チリ入国には動植物の持ち込みが禁じられており、食料もその対象となる。
パスタやクッキーなどのドライフードはOKだが、肉や野菜などのフレッシュフードはNG。
最初のチリ入国の時は、国境手前の路上で調理して、すべて食べて処理してから向かった。
今回はそうはいかず、3日分の食料を携帯していた。
正直に、持っている食料をすべて係員に見せた。
3食分のソーセージ、タマネギ、ニンニク。
全部没収。
・・・ひどすぎる。
たとえばオーストラリアでは、州境を越える際にフレッシュフードの検疫があった(2007年当時)。
キャンピングカーなんかは係員が中に入ってチェックするらしいが、サイクリストはノーチェックでスルーできた。
今回のチリ入国も、ワンチャン見逃してもらえないかという期待をしていたのだが。
申告に虚偽があると多額の罰金を課せられることはわかっている。
建物内にはベルトコンベアの探知機がある。
もし僕がフレッシュフードは持っていないと申告したら、この機械でチェックされた可能性が高い。
素直に申告したせいか、機械によるチェックはされなかった。
係員による裁量の違いもあるとは思う。
正直者は損をしない世の中であると信じたい。
そして、スタンプをベタベタと押された例の紙と、自転車持込申請書は出国時に提示を求められるだろうから保存しておく。
まったく、出入国でムダに物を増やさないでくれるかな。
シンプルに済ますってことができないのかな。
しかも自転車持込申請書にいたってはA4サイズで、しまう場所にも困る。
所要30分。
外国人越境者が多いためか、アルゼンチン側でもチリ側でも英語を話せる係員が多かった。
入国手続きをすませるとすぐそこは街なのだが、セロカスティージョは小さな街でまともなスーパーはない。
旅人を餓死させる気か。
ひどい国だよ。
ミニマーケットならあり、乏しい品ぞろえで割高だが、背に腹は変えられず最低限の食料を買った。
アルゼンチンの方が格段に安いからたっぷり買いだめしておいたのになー。
隣国のスーパーで買った食材がチリに悪影響を与える可能性なんてゼロでしょう。
まったく、ひどい国だよ。
Puerto Natales, Chile