アウストラル街道 5 プエルトリオトランキーロ→コクラン (Chile)

風がやんだ。
気温上昇。

夜はダウンを着て重装備で寝て、日中はTシャツ短パンで汗が吹き出る。
夏になったり冬になったり、忙しいな。

標高は高くないが、アップダウンはそこそこキツイ。
未舗装というのもあり、アウストラル街道では1日平均60km程度。
街あるいはキャンプ場も、それぐらいの間隔で現れる。

相変わらず車が多く、遠くからエンジン音が聞こえてくるだけで憂鬱になる。
ごくごくまれに、十分にスピードを落として目一杯避けてくれる、心あるドライバーもいる。
こういう人には僕も丁重にお礼のジェスチャーをする。

何はともあれ、晴れてさえいれば良し。

うっとりとする、青の湖。


こっち見てる?

道路は未舗装なのに橋だけはやたらと立派なのは何でしょうね。





ウサギの轢死体が多い。
ほとんどはグチャっとやられているが、きれいなやつ発見。

お尻から少し内蔵が出てる。
グッと押してやると、鮮やかな血がにじみ出てきた。
おそらく死後1日もたってない。

ナイフが刺さりやすそうな柔らかい腹部から切りたくなるが、そうすると内蔵がドバドバとほとばしり出て収集がつかなくなるという過去の経験から学んで、腹部には触れずにお尻から脚にかけての肉をターゲットに。
こいつもピョンピョンとよく跳ねるやつだから、脚の筋肉がよく発達しているに違いない。

いまだ正しい捌き方というのがよくわからず、ナイフとハサミを使って肉をほじくり出す。
どうしても細切れになってしまうが、まあまあな量の肉をゲットできた。
長年愛用してきたSnow Peakのナイフの先端が欠けてしまった、残念。
鳥がよく獣の死体を突っついて食べているが、嘴だけで分厚い皮を突き破って肉をほじくり出せるなんて感心してしまう。
人間は、道具なしじゃ動物を解体することもできなさそうだ。

真っ赤な新鮮な肉、ペコペコのお腹。
すぐにでも食べたいが、肉に毛がたくさん付いているので洗い流したいし、ここで調理しても車がやって来ると埃まみれになる。
仕方なく、街に着くまでガマン。

グアナコ、これ野生かな?

野生だとふつうはこんなに近づけない、家畜なのかな。
これぐらいの大型動物だったら食べごたえあるんだろうな。
グアナコもどこかに落ちてないかな、あ~腹が減る。

滝の水は安心して飲める。


街まであとわずかな距離でも、なかなか進まない山道。

アウストラル街道後半戦で唯一のまともな街、コクランに到着。
街の中心にあるキャンプ場へ。

すぐさまクッキングスタート。

400gぐらいはあるかな。
毛をちゃんと取り除くのが大変だった。
やっぱ最初に皮を剥ぐべきなんだな。

醤油、塩、ニンニク、タマネギ、まとめて炒めてみた。

ウサギ肉は初めて。

ウマイ!
ケモノ臭さはやはりある。
それはもう仕方ないものとして気にしなければ、イケる。
脂身はなく、系統としてはラムに近いかな。

コクラン。
街はコンパクトにまとまっており、大きめのスーパーもある。
コヤイケ以降消失していた電波もここで復活。
美しくのどか。
気に入った。

キャンプ場、8000ペソ(1252円)。

このキャンプ場も気に入った。
2泊してしまった。
晴天日に連泊なんてもったいない気もするが、地味に疲れている。

派手な過酷さと、地味な過酷さがある。
標高数千mまで上がるわけでもなく、酷暑でも極寒でもない、それでも小刻みに繰り返されるアップダウンや便宜の悪さ等で、地味に疲れがたまる。
アウストラル街道は景観は美しいのでいいのだけど、こういう地味タイプ。
コクランみたいな街の居心地良いキャンプ場にたどり着いて、ちょっと休ませて~、というところ。

空腹感も悩ましい。
まともなスーパーがあり食料がちゃんとそろっている。
もはや物価が高いとか気にせずに買いまくって食いまくる。

ここでイギリス人サイクリストと出会った。
彼はアウストラル街道の終点まで行ってアルゼンチンへ越境を試みたのだが、なんと国境が閉まっていてここまで戻ってきたという。
国境が閉まっていた理由はおそらくパンデミックだとのことだが、それも今日オープンしたとか。
全然知らなかった。
とりあえず今はもう開いたらしいので僕は越境できるはず、ラッキー。


Cochrane, Chile

9262km (Total 145969km)



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