グワイファト→アブダビ (UAE)
アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)。
1968年までイギリスの保護下にあり、独立は1971年。
7つの首長国から構成される。
アブダビ首長国、ドバイ首長国、その他。
その他はまったく耳に馴染みがないし存在感も薄すぎるので省略。
知名度ではドバイだが、UAEの圧倒的ボスはアブダビ。
アブダビが国土の8割を占め、人口、経済、産油量、どれをとっても他を凌駕しており、首都もアブダビ。
UAEの大統領はアブダビ首長、副大統領はドバイ首長と決まっており、政治的リーダーシップもアブダビにある。
面積は北海道ほど。
サウジアラビアに比べると小国に思えてしまうが、ここも広大。
最初のサービスエリアに着くや、次々にからんでくる。
差し出されたドリンクとおっちゃんの風貌を見て「ビール!?」と聞いてしまったが、エナジー系ドリンクだった。
人口は936万人。
そのうち生粋のUAE人はわずか13%、残り87%は外国籍。
外国人の割合は年々増加している。
やはりインド人を始めとする南アジア人が大多数。
真新しいハイウェイ、走りやすい。
オマーン人から。
今までと同様、必要なものはサービスエリアで。
今までと違って、店は真新しくてきれい。
接客態度の良さにビックリ。
スタッフはほぼインド人。
インド人のくせに礼儀正しくて、きれいな英語を話す。
この国に来るインド人は上位カーストに違いない。
サウジアラビアのサービスエリアにあるスーパーは何でも売ってると言ってもいいぐらい充実していたが、ここはふつうにGSの売店。
肉や野菜が入手できない。
何より、大サイズの炭酸が売ってないのが痛い。
おっ!?
イートインコーナーに電源あり、一斉チャージ。
ラップトップ以外のデバイスはハブダイナモでなんとかもたせているが、それでも充電はできる時にしておいた方がいい。
Wi-Fiもあり。
モスクで身体も洗える。
トイレと水場が別室になっている。
ハイウェイは基本的にフェンスで囲われている。
なんとかフェンスの切れ目を見つけてハイウェイから遠ざかり、砂漠キャンプ。
ここで忌々しい長ズボンを捨て、短パン復活。
無数の貝殻混じりの砂漠。
入国してから130kmほど走って、初めての街らしい街。
なんか共産圏っぽい。
閑散としており、たまに見かける人はほぼインド人。
サウジアラビアでは外国人労働者はほぼ男性のみだったが、ここは女性外国人もいる。
外国人女性は髪も肌も隠さず、ふつうにTシャツ姿。
聞こえてくるのは英語。
英語の通用度が非常に高いことはすぐにわかる。
店に入っても、アラビア語が聞こえてくることはない。
クラクションが鳴らないのは気のせいだろうか。
これはUAE人の家かな?
全部同じ。
街の小高い丘にあるショッピングモール。
ここでSIM購入。
duというキャリア。
当然のごとく英語で対応してくれて、笑顔で礼儀正しく丁寧に説明してくれてビックリ。
12GB、99ディルハム(3839円)。
有効期限はここも28日。
この28日というのはイスラム暦というよりは、単に4週間という切りの良さなのかな、わからん。
UAEでは、ネット回線による通話ができない。
思い起こせば、サウジアラビアでもWhatsAppで通話できなかった気がする。
政府によるネット監視の関係だとか、あるいは通信会社を儲けさせるためだとか。
たしかにSIM購入の時、通話サービス、国際通話サービスについてやたら長々と説明を受けた、ほとんど聞き流したけど。
文字や画像の送受信は問題なくできる。
ネット回線で通話したいならVPNを使うしかない。
サウジアラビアと同じく、ここも絶対君主制。
クウェート、バーレーン、カタール、オマーンなど、アラビア半島の産油国は軒並み絶対君主制、あるいはそれに近い権力を国王や首長が掌握している。
2011年アラブの春において、これらの産油国で民主化運動が起きなかったのは、あるいは起きても大事にはならなかったのは、オイルマネーがうまく分配されていることで国民が不満を抱いていなかったため。
とするとやはり問題は、「独裁か民主主義か」ではなく、「生活が潤っているか困窮しているか」に尽きる。
ハイウェイのフェンスは、両サイドだけでなく中央にもある。
サービスエリアが左側に現れる時は、荷物をはずして乗り越えなければならない。
パキスタン人ドライバーから。
ハイウェイで休憩中、パトカーが止まった。
またしても、「許可証を見せろ」
またかよ。
もうそのバカのひとつおぼえみたいなのやめてくれないかな。
そんなものは知らんし存在しない。
このハイウェイは国境から続いていて、アブダビへ行く他の道路は存在しない。
もし許可証が必要なら、入国手続きの際に発行すべき、でも国境ではそんなことは一言も言われなかった。
警官が言うには、「ここはハイウェイだ、自転車は危険だから、通るなら許可証を取れ」
僕が「ほう、ではその許可証とやらを取れば危険なハイウェイが安全になると?」と言ったら、逆上してなにやら早口でわめき出した。
そんなにしょうもない紙切れが必要なら、おまえらの方で用意して持って来いよ。
「どこでどうしたらその許可証をもらえるんだよ?」と聞いてみても、警官の答えは要領を得ない。
なんで警官のくせにちゃんと答えられないんだよ。
どうも、ちゃんとした知識もなく口からでまかせで言っているようだ。
さらに「許可証がないならタクシーで行け」とか言い出した。
こんなところでタクシーなんかつかまるわけないだろ、バカか。
2人組の警官のうち1人は、まったく英語が話せない。
こんな英語だらけの国で、なんで警官ともあろう者が一言の英語もしゃべれないんだよ?
この国でも、アホ警官がネックになってくるのか。
許可証がどうのとぬかしてくる警官は全員ぶん殴ってやりたくなる、気分悪い。
警官は別件で急いでいたのか、話半分で去って行った。
翌日。
もちろんこんな砂漠のど真ん中で許可証を取れたりタクシーをつかまえたりなどできるはずもなく、そのまま走り続けた。
何台かのパトカーが通過したが、何も言われなかった。
やはり、アホ警官だけがムダにからんでくるという認識で間違いないようだ。
生粋のUAE人の大半は公務員になるという。
この国に生まれたというだけで、バカでも何でも公務員になれて一生安泰。
またオイルマネーに甘やかされた負の側面を見てしまった。
知能レベル10歳児の無能に警察の仕事なんかやらせるなよ。
Abu Dhabi, UAE