アシエンダビエハ→アンティグア (Guatemala)
グアテマラ入国。
本格的にトウモロコシ文化圏。
グアテマラも、中米の共通項(アメリカの干渉、隣国との係争、内戦、クーデター、モノカルチャー、ハリケーン等)を兼ね備えた国。
特に、1960~96年の36年におよんだ内戦は国の発展を著しく妨げてきた。
グアテマラの特徴は、なんといってもマヤ。
メスティソ51%、マヤ系先住民41%、ヨーロッパ系8%という民族構成で、マヤ人の割合が際立っている。
4~9世紀にメソアメリカに栄えたマヤ文明、現在はメキシコのユカタン半島からグアテマラにかけてその末裔が分布している。
スペイン語話者は国民の6割ほどで、固有の言語しか話さないマヤ人が少なくない。
固有の文化が残されているのは大いにけっこうなことだが、言語の非統一性が国内の分断を生み、教育の向上や経済発展を妨げ、格差を広げている。
国土は北海道+四国よりやや大きい。
人口は1711万人、メキシコを除く中米で最大。
主産業はコーヒー、砂糖、バナナを主とする農業。
初日の宿。
60ケツァール(1110円)。
猛暑+物価高の二重苦の中米走行。
物価高はホンジュラスをピークとしてエルサルバドルで緩和、ここでようやく正常値。
中米の安息の地はグアテマラだったか。
エアコンなしだがそれ以外の条件は良好、宿の人も感じいいし、連泊。
床屋に行き、伸びすぎた髪をバッサリスッキリ。
要望通りに上手にきれいに仕上げてくれた。
15ケツァール(277円)。
安すぎ。
これはもっと払ってあげてもいいくらい。
物価高問題はひとまず解消し、次は暑さ。
海岸沿いに進む限りは暑いまま、内陸の山岳地帯へ入るしかない。
登りで息を切らしているところへ、古めかしいバスがドス黒い排気ガスを吐きつけてくる。
欧米や日本より、こういう国こそとっととEV化しちゃいなよ。
あちこちにコーヒー畑。
1日で一気に標高1600mまで上昇。
緩やかな登りで木陰も多かったが、それでも汗が噴き出る。
若干さわやかな風が吹いてきたかな。
標高1500mのアティトラン湖へ。
雨。
今までの沿岸部は夕方か夜にしか降らなかったが、山間部は午後の早い時間からも降る。
Casa Qatzij。
ドミトリー70.20ケツァール(1298円)。
実質個室。
エアコンも扇風機もなし。
一瞬すごく不安になったが、この夜、気温はなんと13℃まで落ちた。
これなら扇風機なしでも寝れる。
ようやく灼熱地獄から脱却か。
蚊もいない。
中米に入って初めて、お湯の出るシャワー。
ガスではなく電気だが。
暑い地域はお湯シャワーなんて必要ないから別にいいのだが、にしても20ドルも30ドルもするような高級宿(?)で水シャワー、エアコンもなしだったり、トイレットペーパーも流せないようなところで、物価だけが跳ね上がっていた。
洗濯物が乾かなくなった。
今までは、夜に干しておけば朝には完全に乾いていたのだが。
まあとにかく、すごしやすくなってめでたし。
湖畔に沿って道をつくってくれたらいいのに、またずいぶんと登らされる。
日中はまだ暑く、キツい登りで汗ダラダラ。
まもなく曇天。
アティトラン湖は火山に囲まれたカルデラ湖。
メインロードからそれて、湖畔のローカルロード。
すんごい傾斜。
下りでも乗っていられず、降りて歩きながらちょびちょびと下る。
ブレーキを握る手がしびれてくる。
脱水症状なのか栄養失調なのか、立ちくらみがする。
中米は食が乏しく、スーパーの品ぞろえもショボくて、ろくに食えていない。
西アフリカの時もそうだったが、こういう時に抵抗力が落ちて予想外の病気になったりするので、身体が発するサインを軽んじてはならない。
やはり中米と西アフリカは、どこか共通するものがある。
難易度でいったら中米の方がはるかに楽だけど。
険しいアップダウン、全然進まない。
民族衣装の女性たち。
アンデスに似た先住民社会。
男性はふつうの服装。
湖畔の街で、久々の日本人宿。
ドミトリー65ケツァール(1201円)。
客は少なく、個室感。
オーナーさんは日本人、スタッフはグアテマラ人。
日本人と出会うのはペルーのクスコ以来だろうか。
客は以前から欧米人がメインで、もともと日本人は少ないようだ。
今は日本人客はいない。
世界各地の日本人宿、日本人旅行者だけを受け入れてきたところはもう商売成立しないだろうな。
フリーコーヒーあり。
日本語の本や漫画も。
でも僕はもう老眼がひどくて電子書籍以外は読めない。
キッチンなし。
外食しなければならないというのは致命的、連泊せず。
栄養不足を解消したいのだが、外食だとどうがんばっても量が足りない。
アティトラン湖は観光地で、外国人向けの割高な店ばかり。
メニューも、世界中で見飽きた芸のないものばかり。
宿代より高い80ケツァール(1476円)も払ってたったこれだけ。
朝のアティトラン湖。
午後から天気が崩れることが多く、朝は比較的安定している。
それでも山は雲に覆われたまま。
またドギツい登り。
貧血気味だけど、進まざるをえない。
標高2200m。
アンデスほど標高が上がることはないが、勾配のキツさでいったら南米よりも中米。
メキシコならフラットな高原があるが、この辺は高原が形成されるような余地はなく、内陸はただ険しい。
いやー険しいねー。
久々の川渡り。
きったない川。
山も川も、大量のゴミ投棄で汚染されている。
ここは深さは足首ほどで、サンダルシューズで渡ったが、足が濡れただけでも気持ち悪かった。
険しい山道のため、1日20~40km程度。
標高2200mの小さな街で1泊。
街はやはりアンデスのような先住民ワールド。
宿は古びていてもちゃんとしていて居心地良く、人も親切で笑顔がある。
Antigua, Guatemla
19353km (Total 156047km)