クスコ→アブラピルワヤニ (Peru)
クスコから、来た道を少し引き返してまたウルコスで1泊。
ウルコスからは長い登り。
登り途中、ライダーが止まってアルパカ肉とトウモロコシを差し入れてくれた。
できたてのアツアツじゃないか。
せっかくなのですぐにその場でいただき。
うまい。
ペルーの店で食べたどのローカルフードよりもうまい。
トウモロコシは日本のとは別物だが、ほんのりと甘味。
日本では「米一粒に七人の神様が宿っている」なんて言ったりするが、ここではトウモロコシの一粒にも何かこめられたものがあるかもしれない。
標高4300m。
いったん下る。
地図上では小さく描かれた街でも、なかなかにぎわっている。
外国人はまず立ち寄ることのない小さな街、ジロジロと見られる。
また派手な衣装をまとったセニョーラたち、でも撮影は自粛。
クイを食べてみる。
クスコのクイは高すぎて気が乗らず、見送った。
街から離れた幹線道路沿いのレストランでも、クイの看板を多数見かける。
串刺しにして窯で丸焼き。
40ソル(1412円)。
クイは南米原産の齧歯類で、スペイン人到来よりはるか以前から食用として飼育されていた。
スペイン人がヨーロッパに持ち帰り、オランダ人が日本へ持ち込んだ。
オランダ人がこれをマーモットと呼んだことから日本ではモルモットという呼称が定着した。
英語ではなぜかGuinea pigと呼ばれている。
新大陸の動物は、ヨーロッパ人が自分たちの知っている動物の名を当てはめて呼んだり誤用されたまま定着したりなどで、ややこしいことになっている。
にしてもGuinea pigはない、もうちょっとマシな名前を付けてあげて。
予想してたのと全然違う味。
系統としてはチキンだが、ほのかな臭味と腹部に仕込まれたハーブが独特の風味をかもし出す。
ここでは高級食材扱いというのも納得。
ラオスで食べた野ネズミのおぞましい記憶が払拭された。
食用として飼育されたものなら、ネズミも全然イケるね。
誤解による呼称といえば、先住民をインディオとかインディヘナとか呼ぶのはいいかげんやめた方がいい。
500年前のコロンブスの勘違いをいまだご丁寧に継承するのはいかがなものか。
侮蔑的差別的とかいうことではなくて、大前提としてかれらはインド人ではない、明らかな間違いなのだから。
シーサーみたいなのがいる。
小さな街でも宿は豊富にある。
着いたとたんに雨。
Wi-Fiなし。
翌日も雨。
久々の雨天走行。
雨は何よりも嫌だが、予報を見るとずっと雨続きのようだし、Wi-Fiなしの宿で連泊はきついというのもあり、決行。
靴の浸水問題。
防水靴+レインウェアでも、長時間雨天走行すると浸水する。
レジ袋を足首に巻いて縛り、靴全体を覆うように上からかぶせてやると防げる。
フットカバーというのも売っているが、あれは靴を脱がないと装着できないので面倒だし、靴全体を覆うようになってないので結局浸水する、金を出して買うようなものじゃない。
予報は外れ、すんなり雨上がった。
また長い登り。
1000m登る。
勾配は緩やか。
少しずつ高度を上げていく。
今までの4000m台とは違い、この辺は水が豊かなようだ。
しかし晴れてよかった。
標高4000mを超えても、当たり前のように村があり、人々の生活がある。
こんなところでもまだレストランがあったりする。
この辺りからヘアピンカーブでスティープに登る。
路面はまだ新しくてきれい、路肩も舗装されていて助かる。
こんな眺めなら、登りも苦じゃない。
標高4700m。
アンデス最後の峠、標高4725m。
今回のアンデス。
アルゼンチン、チリ、ボリビア、ペルー。
4000m台の峠越えが16、5000m台が1。
その大半が名もなき峠。
登りきったところで看板の一つもなく、「それがどうした」と言わんばかりの殺風景。
ヒマラヤとはまた別の風格、これもまた良きかな。
でも最後のこの峠ではいいプレゼントをもらえた気がする。
Mazuko, Peru
14209km (Total 150903km)