十和田湖→青森

十和田湖に向かいながら、重大なミスに気づいた。

現金が足りないかもしれない。

Booking.comで宿を予約すると、日本だとほとんどの場合予約と同時に決済されるのだが、まれに現地払いの宿がある。
十和田湖で予約した宿がそうなのだが、カード不可の匂いがする。
今はあまり現金を持ち歩いておらず、宿代を現金払いしてしまうと持ち金がほぼゼロとなり、飲み食いその他の買い物が一切できなくなる。

十和田湖畔の街はとても寂れているようで、コンビニなし、ATMなし。
売店レベルの個人商店が1軒だけ、現金のみ。
一応観光地なのでレストランが多数あるが、カード払いできるのかどうか、果たして。

手前の街でおろしときゃよかった、でもこの山道を戻る気にはなれない。
海外で何度か経験した、現金枯渇ピンチ。
まさか日本でこのスリルを味わうことになろうとは、油断した。

宿に到着。
カード不可の匂い、するでしょ?

おっ!
助かった~

入るといきなりオーナーの顔写真付き自己紹介文。

「75歳、糖尿病で肥満体でコロナリスクが高いのでテレワークしております」

なんともナイスキャラなこのオーナーが杖を突きながらヨチヨチと現れた。

「カード? う~ん、ムリです」

えぇぇ、、、

「PayPayだったらできますけどね」

僕はPayPayは使ったことがない。
ネット環境があれば今この場でアプリをダウンロードして使えるようにはなるか、めんどくせーな。
まさか杖を突いたお爺さんにPayPayの使い方を教わることになろうとは。

なんとかうまいこといって、PayPayによる支払いに成功。
これで、この街のすべての店が現金のみだったとしても乗り切れるだろう。

僕にはPayPayの存在理由がわからない。
クレジットカード/デビットカードなら、タッチで瞬時に決済。
モバイルSuicaも、タッチで瞬時に決済。
しかしこの、QRを読み取って金額を入力して、というのはおよそスマートとは言えない手間。
店側からすると、決済用の機器を導入するよりQRの方がコストカットできるのか。
PayPayには他にもいろいろ機能があるようだが、なんだかいかにも日本的なゴチャつき具合、スッとシンプルにつくれないものかね。
ネーミングセンスもダセえ、「PayPay」って発音したくない。

LINEも似たとこある。
そのデザインセンス、不要な機能のゴチャつき具合、など僕はいまだにLINEは好きになれず、でも多数派には逆らえないので日本にいる時は使わざるをえない。

広い旅館、けっこうな人数を収容できそうだが、客は僕ひとりだけ。
オーナー爺さんも僕への対応を終えると家に帰ってしまった。

古くてボロいけど、サービスは充実している。
カレーの賞味期限が切れてしまうから食べてほしい、みたいなことを言っていた。

街で唯一の商店はカップラーメン1個230円だが、ここは200円。

フリーフードコーナー。
せっかくマーガリン、ジャム、トースターがあるのに、肝心のパンがない。
街で唯一の商店でも、パンは切らしていると言われた。

日本の怒涛の貼り紙文化は、PayPayやLINEのゴチャつきと通ずるものを感じる。

オーナー爺さんは50ヶ国渡航歴のある旅人。
貼り紙はしっかり英語でも併記されている。

昭和も昭和な宿だが、ネット関係は進んでる。
Wi-Fiもハイスピードで安定。
まさかあの爺さん、Netflixとか見るのかな。

きれいとは言いがたいけど、よく維持できているものだ。

和室、2500円。

ドミトリーでも3000~4000円する宿が多いのに、こういう格安宿はありがたい限り。

雨予報のため2泊。
2日目はただ引きこもる。
しかしまさかの予報はずれ、雨降らず。
そうだとわかっていたら連泊しなかった、でもゆっくり休めたからいいか。

困るのは食料の調達。
宿のカレーとカップラーメンだけというわけにもいかず、でも街で唯一の商店も腹を満たせるような食料はなく、やむなく冷凍食品を買った。
スーパーとコンビニのありがたみを改めて痛感。

十和田湖。

寂れてるねー

廃墟だらけ。

営業中、と見せかけて本日終了。

レストランは見事なまでに全滅。
カードがどうのという問題ではなく、そもそも開いていない。

2日間まるまる、レトルトだのカップラーメンだの冷凍食品だの、まともなメシ食えず。


岩手県から青森県にかけて、一戸、二戸〜八戸、九戸という地名があり、最後がこの十和田湖、というのを日本一周した時に知った。

十和田湖は秋田県と青森県にまたがっており、ちょっと青森に踏み入ったが再び秋田。


そして再び青森。


弘前。

節約のため自炊したいのだが、なかなか自炊できる環境が少ない。
ふだんは、スーパーで夕方値引きされた弁当を数個買うことが多い。
外食だと、ごはんおかわり自由の店を見つけられないと困る。

そこで、すき家のキング牛丼。

裏メニューなのでタッチパネルでは注文できず、店員に直接言って伝える。
ごはん2.5倍、肉6倍。

今の僕には、このキング牛丼が並盛にしか見えない。
牛丼1杯+卵に1570円も払ってしまったけど。
腹6分目、足りんな~

また快活泊。
快適すぎてクセになる快活CLUB。

店舗によって多少の格差がある。
ここはシャワー室前にこんな立派な洗面所。

タオル無料貸し出し。
コインランドリーもあり。

日本のトイレは世界一。
そのクリーンさやウォシュレットは言わずもがな、トイレットペーパーが常にフルストックされているのも他に例を見ない。

無料朝食はやめてしまったという噂を聞いたが、店舗によってはまだ続いている。

サービス充実しすぎだ。

ドリンクもソフトクリームもすばらしいが、この辺の充実ぶりもすごい。
味噌汁やお吸い物まである。

「幸福度調査」とかいういかがわしいランキングで、日本はいつも下位の方だという話をよく耳にする。
人間、あまりにも恵まれた環境で生まれ育つと、それが当たり前という認識になって幸福さを実感できなくなる。
世界でもぶっちぎりで最高レベルのサービスを提供している店員さんに対して、ちょっとしたつまらないことでキレたり怒鳴ったりレビューで叩いたりする客、他にもそういった健全とは思えない病的なトラブルが負の連鎖となり、ストレスが蓄積し、最高レベルの環境であるにもかかわらず不幸であると感じてしまう。
逆に本当に恵まれない環境の国々では、食べたり遊んだり家族友人と団欒したりするのが当たり前でないことをよく知っているからこそ幸福感を得やすい、というのがあるかもしれない。
帰国してまだ間もない僕は店員さんのサービスに対してお礼を言わずにいられない、でも日本になじむにしたがってこの感覚も薄れていくのかもしれない。

バイパス的な道路は歩道も縁石もなく、最高に走りやすい。


青森市。

また雨予報、それによって走行ペースを調整しているのに、また予報はずれて降らず。
天気予報けっこうはずれるな、まあ降らない分には助かるけど。

大好きなコージーコーナー、店舗数は決して多くはないけど全国各地にある。

空腹病は不治の病。
食えば食うほど腹が減る。
コージーコーナー最高や。

ジャンボプリンがなかったのが悔やまれるけど。


青森県青森市

1451km



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