コロンビア(Cartagena)→パナマ(Panama City) フライト
ダリエン地峡。
南北アメリカ大陸は陸続きだが、コロンビアとパナマの間にあるダリエン地峡で道が途絶えており、オーバーランダーにとって障壁となっている。
ダリエン地峡のジャングルにはゲリラ、マフィア、反政府組織が潜伏していること、それから先住民の生活や自然の保護、という理由で道路をつくらず、今後もつくる予定はないという。
にしても、ここが閉ざされていることによる弊害は大きいだろう。
世の道路というものは、そういった諸事情がありながらも強引に通してきたはずだ。
表立って言えない裏事情でもあるのかな、たとえば潜伏している組織と政府が実は蜜月関係にあるとか。
ここを通過するのは不可能というわけではなく、一部の冒険家がカヌーなどを使って突破したりしている。
それから、南米から北米をめざす移民たちが危険を冒して道なきジャングルを徒歩で越える、これは年々倍増傾向にあり、死者行方不明者も出ている。
一般旅行者向けに、船もある。
僕は今回、船でコロンビアからパナマに渡るつもりでいた。
しかし調べてみると、、、
フェリー、ヨットは現在運航されておらず、スピードボートのみ。
いろいろオプションがあるが、いずれもパナマ直行ではなく、カリブ海の島々を周遊しながら3~4泊の船旅。
料金はUS$495から、自転車を乗せるなら+US$100。
てっきり船はカルタヘナから出港するものと思っていたのだが、どうやら違う。
まずはカルタヘナから400kmほど南西に戻り、そこからフェリーまたはボートで国境近くの港まで行く。
スピードボートの旅はそこから始まるのだが、まずそこに行くまでにそこそこ費用がかかる。
そして途中の先住民の島に入場料としてUS$20払ったり、パナマ上陸後も道路がないのでパナマシティまでジープで送ってもらうのに数十ドル払ったり、などなど。
ざっと概算してみたら、なんだかんだでトータル10万円近くいってしまう。
旅行者たちの過去のブログを見てみると、大半がスピードボートではなくヨットで、ルートも異なり、トータルで5~6万円ぐらいと書かれている、もうだいぶ時代が変わってしまっている。
一方飛行機は、、、
カルタヘナからパナマシティまで直行便あり。
チケットが約1万4000円、荷物が約1万4000円×2、トータル4万3000円。
わずか1時間のショートフライトでこの額はだいぶ高いが、船旅を断念させるには十分な差。
というわけで、船旅にそこまで未練もないので、潔く気持ちを切り替えて、飛ぶ。
コロンビア出国
前回のフライトで輪行バッグが壊れてしまったので、自転車屋を駆けめぐってダンボール箱を探したのだが、見つけられず。
ホームセンターで3000円ぐらいのテントを買って、それで包むことにした。
カルタヘナの空港には、カートがない。
この大荷物を手運びさせるとか、血も涙もないな。
もちろん一気に運ぶのは不可能なので、少しずつ動かしながらチビチビとチェックインカウンターへ向かう。
そういえばボゴタの空港では、カートを使おうとしたら「有料だ、金払え」と言われた。
なぜそこで意地悪する?
どんな理由か知らないが、こういう国では客へのサービスより優先すべき事情があるのだろう。
国際空港だというのに、チェックインカウンターの係員は誰一人として英語を話せない。
翻訳アプリを見せてくるのだが、支離滅裂な英文。
こういうのもセンスなのか、ふだんから相手の立場になってわかりやすい言葉を選ぶということをしない人は、自分がしゃべる言葉をそのまま入力すればまともに翻訳されると思いこんでいるらしい。
このお姉さん、僕が英語で何か言っても「Yes」しか言わない、こりゃポンコツだ。
スーパーの店員じゃないんだから、国際空港で仕事する身としてちょっとぐらいは英語を勉強しようとかいう気は起きないのかな。
ともあれ、この状態だと自転車を積み込めないということらしい。
ラッピングサービスまで連れて行かれ、なんだか大げさに梱包された。
ダンボール+ラップで3kgも重量が増えてしまった。
こうなるとわかっていたら、テント買わなくてもよかったな。
しかし、自転車も荷物も大幅に重量オーバーしていたにもかかわらず、どういうわけか超過料金は請求されなかった。
チェックイン時に、パナマから出国するチケットの提示を求められる。
「自転車でコスタリカに抜けるからそんなチケットは買わん」と言っても、「飛行機の出国チケットしか認められません」と融通が利かない。
これに関しては係員のお姉さんの判断ではなく、パナマ政府の意向なのでゴネてもしょうがない。
出国フライトの予約番号を入力しないとチェックインできないようになっているのだ。
やむをえずその場で出国チケットを買おうとしたら、Wi-Fiが使えない。
この空港のWi-Fiは、30分しか無料で使えないのだ。
だからどうしてこういう変なところでケチる?
係員が使っているWi-Fiのパスワードを教えてもらって、チケットを買った。
どうせキャンセルするダミーチケットの提示を強要する国って頭悪いとしか思えない、現場の流れを悪くするだけだ。
そしてキャンセルしても全額返金されるわけではない、こちらとしてはただムダ金を払わされるだけだ。
わずか1時間のフライトのために、えらい出費、苦労したな。
搭乗時、また時代錯誤な入国カードを渡され、機内で記入。
コロンビアペソ。
パナマ入国
入国窓口では、指10本すべての指紋を機械で取られた。
質問はなし。
90日以内の滞在であればビザ不要。
この空港もカートなし。
エアコンの効いた館内で作業したかったのだが、手続きが終わると否応なしに外に出される。
今回、折りたたみのハサミを預け荷物に入れるのを忘れて、機内に持ち込んでしまっていた。
搭乗時の荷物チェックでは引っかからなかった。
ジュースは没収されるのに、ハサミはOKなのか。
もっともテロリストだとしてもこんな小さなハサミじゃ何もできやしないか。
ここも極めて蒸し暑い。
小一時間かけて自転車の組立作業をしただけで、汗でドロドロ。
でも荷物も無事で良かった。
中米走行スタート。
Panama City, Panama
17152km (Total 153846km)