フライベントス→コロニアデルサクラメント (Uruguay)
正式名称はウルグアイ東方共和国。
南米で最も物価が高い国、ウルグアイ。
特にここ最近はさらに物価上昇中だそうで。
なのでウルグアイは最低限の節約ルートのプランを練り、自転車走行は4日間約430kmほどに凝縮。
道路まともになった。
意味不明なバンプもない。
パラグアイとウルグアイの違いを知らずとも生きていく上でいっこうに困ることはないが、旅人としてはたしかめずにはいられない。
ふたを開けてみると、双方とも国名がグアラニーの言語を語源としているだけで、ほぼ無関係。
スペイン植民支配時代にウルグアイにいたグアラニー人はパラグアイに移動したため、パラグアイはスペイン人+グアラニー人の混血国家となり、ウルグアイはヨーロッパ系移民国家となった。
アルゼンチン北部からウルグアイにかけての大草原地帯はパンパと呼ばれ、肥沃な土壌で世界有数の農業牧畜業を育ててきた。
19世紀に需要が高まった羊毛、牛肉、小麦の輸出で富を生み出し、ヨーロッパ各国から移民が押し寄せ、現在も国民の9割がヨーロッパ系。
こういった点でウルグアイはアルゼンチンと非常によく似ている。
よって、ウルグアイはむしろアルゼンチンとの対比で見るべき国。
かたや破綻国家へと転落したアルゼンチン。
かたやウルグアイは社会保障を充実させた福祉国家となり、戦後の一時期は政情不安定で軍事政権になったものの、安定した民主主義国家を維持している。
1人あたりGDPは南米で最も高く、所得格差は低い。
両国とも恵まれた国土にあり、似た条件でどうしてこうも違う道を歩むことになってしまったのか。
街並みはさぞかし先進的かと思いきや、そこまで高水準には見えない。
ここもシエスタがあるのか、活気はなく、路面はけっこうボコボコ。
この街のATMで現金を引き出せた。
カードのみでもこなせると思うが、一応少しばかりの現金もあった方が安心。
ウルグアイペソもUSドルも引き出せる。
「SE VENDE」(売ります)と書かれている。
買う人いるのか、という以前に動くのかこれは?
風景はもちろんファーム。
南米のこの界隈の国々はとにかく農業立国なのだ。
1人あたり牛肉消費量世界ランキング
1位 ウルグアイ
2位 アルゼンチン
3位 ブラジル
4位 アメリカ
5位 パラグアイ
今回の旅のスタートがいかに肉食野郎ぞろいなことか。
ウルグアイ人は1人で年間61kgの牛肉を食べる(日本人は9kg)。
天と地ほどの物価差を想定していたので、アルゼンチンで食料をたくさん買い込んでおいた。
ウルグアイでは最初の2日ぐらいはほぼ出費ゼロでいける。
ポールの情報によると、宿はどこもUS$30以上らしい。
ちょうどキャンプしたいと思ってたし、しばしゆるみがちだった日々、物価の高さが旅にメリハリをつけてくれる。
今までの国と同じく、果てしないファーム地帯ではほとんどの土地が私有地でフェンスが張られており、キャンプしやすくはない。
唯一フェンスが途切れてテントを張れるのは、川。
夜、いつも天の川の天上にさそり座が横たわり、夜明けにはオリオン座が上がってくる。
オリオンはサソリに刺されて殺されたので今も恐れて、さそり座が夜空に輝いている時はオリオンは隠れ、さそり座が沈んだ後にオリオンが姿を現す。
虫なのかカエルなのかわからないが、カラコロと不思議な鳴き声が夜通し聞こえた。
ウルグアイの国土は日本の半分弱。
ほぼ全域がパンパで、高山はない。
しかしアップダウン。
気だるくなるような傾斜ではなく緩やかだが、それでも果てしなく繰り返される。
人口は347万人。
大半がスペイン系とイタリア系、その他ヨーロッパ各地からの移民の血を引く。
ウルグアイといえば、「世界一貧しい大統領」として一躍有名になったムヒカ大統領が記憶に新しい。
2010~15年に大統領に就任、官邸に住むことを拒んで郊外の農場で暮らし、収入の9割を寄付し、自身は月1000ドルほどで生活していたことからそう呼ばれるようになった。
国連会議のスピーチで、経済発展ばかりを求める現代の消費社会を批判、人類にとっての幸せを考えることを説き、人々の心を突き動かすメッセージとして世界中に広められた。
「世界一貧しい大統領と呼ばれているが、自分は貧しいとは感じていない。貧しい人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ。」
日本の文化や歴史についての知識も深く、2016年に来日、映画も撮られた。
自転車屋さん、やはりシエスタ中か。
巨大なサイロがあちこちに。
時折現れるGSでWi-Fiにつなげる。
GSに併設されている店で物価チェック。
コカコーラ1.5Lがなんと117ペソ(387円)。
ジュース1Lが95ペソ(314円)。
ハンバーガー1個98ペソ(324円)。
軽くアルゼンチンの3倍以上。
アルゼンチンで公定レートで買い物したとしてもなおウルグアイの方が高い。
それでも食わねばならぬ。
80ペソ(265円)のパイ、75ペソ(248円)のスイーツ、79ペソ(261円)のドリンク。
結局ウルグアイも路肩消失。
でも交通量は少なく、大型車も少ない。
時々車が止まり、「乗っていくか?」と声をかけてくれる。
2日連続で120km以上の走行でちょいとハードだけど、自力で行けますよ。
Colonia Del Sacramento, Uruguay