ブエノスアイレス 3 (Argentina)
週が明けると、街はデモ隊で埋め尽くされていた。
IMFから幾度となく巨額の支援を受けながらも返済できず、デフォルトするのがデフォルトでおなじみのアルゼンチン。
ただでさえ厳しい緊縮政策が迫られる中でのコロナショック&ウクライナショック。
先月、1ヶ月の間に二度も経済相が入れ替わった。
政府内でも大混乱、これがペソ暴落を加速させた。
インフレ率は、昨年同月比で71%。
現在の最低賃金は月2万円ほど、正規雇用者の平均月収は4万円ほど(闇レート換算)。
物価は上がるが賃金上がらず、今やスタグフレーションは世界を蝕む病。
このどうしようもない泥沼でデモ行進したところで、お金が湧いてくるとでもいうのか。
人口の85%がヨーロッパ系だが、デモ参加者は多くの割合で黒髪で褐色の肌、先住民色が濃く見られた。
長年にわたって危機的状況にあるアルゼンチン。
危機的状況が当たり前で慣れてしまっている、したたかな打たれ強さはありそうだ。
こういったデモも、昨日今日始まったわけではなく恒例的なイベントのようだ。
しかしそこに世界的恐慌がかぶさってきた今、もう何がどうなるのかわからない。
America del Sur Hostel。
ドミトリー1泊4000ペソ(1720円)。
ちょっと失敗して、高い宿を選んでしまった。
料金はドルを基準にしており、その日のレートで変動するらしいが、それにしても予約サイトに提示されている額より大幅に高くつき、公定レート並みの額を請求された。
もっと安そうな宿もあるが、実際の支払いがいくらなのかは確認してない。
ブエノスアイレスは、全体的に物価が高い。
朝食は別料金。
こんなに高い料金をふんだくってるんだから、込みにしてくれてもいいのにねー。
立地良し、新しくてきれい。
部屋はカードキーで、エレベーター付き。
今回の旅でこんなシステマチックな宿は初めて。
日本のビジネスホテルのように、室内の電気をつけるにはカードを挿さなければならない。
個室なら別にいいのだが、ドミトリーだと、たとえば他の人がシャワーやトイレを使っている時、退室する場合はカードを抜かなければならない、そうすると部屋全体の電気が落ちてしまう。
コンセントも、カードを挿していないと充電できない。
洗濯物を干す場所がまったくない。
僕はなんとかうまいこと干したが、他の人は本当にどうしているのだろう?
一見洗練された宿ほど、こういう実用的な便宜に欠ける点がある。
客層は、ほぼ旅行者。
スタッフは流暢な英語を話す。
客同士の会話や交流はほとんどなし。
せっかく物が豊富な首都にいるので買い物でもしようかと思っていたのだが、想像以上に物価が高く、結局何も収穫なし。
でも宿のすぐ目の前のスーパーは、安くて品ぞろえも良かった。