サンパウロ 1 (Brazil)
さすがに地球の裏側までのフライトは長かった。
ドーハでのトランジット待ち時間も含めて、トータル約30時間。
ブラジル、サンパウロに到着。
入国審査は、スマホでワクチン接種証明を見せて、質問を2、3されただけで、スタンプが押された。
楽勝やんけ。
90日以内の滞在はビザ不要。
自転車と荷物も無事だった。
成田でチェックインした時にフラジャイル扱いにしてもらったおかげだろうか。
世界が今までとは変わってしまったであろうという不安要素でいっぱいだったが、少なくとも最初のフライトはすべて無事クリア。
パーフェクトな出だしだ。
到着は夕方。
自転車の組み立て等なんだかんだで時間がかかってしまい、空港を出た時にはすでに日は暮れ、暗闇となっていた。
空港から4kmほどにあるホステルに予約していた。
なんぼ治安が悪いといっても、空港から4km暗闇を走行するぐらい問題ないだろう。
デコボコの道路。
屋台から立ち上る煙。
さまよう野良犬。
ドブ臭さ。
ションベン臭さ。
聞き慣れない言語。
ああ、久しぶりよこの空気。
旅が始まる。
ドミトリー1泊63レアル(1605円)。
この部屋は僕一人だけで、独占できた。
宿のおばちゃん(お姉さん)は、最初は警戒心を見せたものの、気さくで、英語も話せた。
「あなた日本人? なんだか他の日本人と違う感じね」と言われた。
宿の人のオススメに従い、近くのレストランでYAKISOBAを注文。
コーラも含めて、28レアル(713円)。
先進国並みの物価感覚。
具だくさんでおいしかったが、日本の焼きそばとはまるで別物だった。
ガラナ、8レアル(209円)。
日本では北海道ぐらいでしか知られていないであろうガラナは、ブラジル原産の果物。
翌日、サンパウロ市街中心へ移動。
途中、自転車に乗った青年が話しかけてきた。
彼は日系ブラジル人、マコトという。
日本に住んでいたこともあるが日本語は話せず、英語は上手、上半身裸。
しばらく併走しながら会話をし、「ここからは高速道路で行くといいよ」と教えてくれた。
日本ではありえないことだが、今まで旅した国でも高速道路はけっこう走ってきた。
たまに捕まっちゃったりするので初めての国では慎重になってしまうが、地元民がそう言うなら安心。
別れ際に日本語で「ガンバッテ!」と言ってくれた。
分岐と合流だけ気をつければ、あとは一般道より安全。
高速を降りてからは、道は複雑、渋滞。
どこの国でも、大都市を走るのは難儀する。
発展著しい中南米。
ブラジルに来るのは初めてだが、2006~7年に中南米を旅した時は、ドライブマナーはクソ最悪だった。
ここ十数年で劇的に向上しており、ブラジル人もドライブマナーは良好。
この世で最も忌々しいクラクションも、それほど鳴らない。
荷物満載の自転車で走っていても、あまり視線を感じない。
「チノ」と呼ばれることもない。
サンパウロ市街中心に到着。
São Paulo, Brazil
29km (total 136723km)