コスタヴェルデ 1 (Brazil)

サントスから東、ちょっとした河口をフェリーで渡る。

自転車は無料。

朝の通勤時間帯。
対岸に渡ってからも、多くの自転車やバイクが行き交う。

ブラジルに着いてからずっと感じていたことだが、とても秩序が保たれている。
歩行者自転車が優先されて譲り合い、クラクションも鳴らない。

先進国とか後進国とかいうのも死語になりつつあるが、僕が今まで見てきた国々の特徴で言えば、ブラジルは先進国の特徴がそろっている。

そういえば、一昔前にBRICS(Brazil, Russia, India, China, SouthAfrica)なんていうワードが流行ったことがあった。
もともと投資家向けに注目度の高い国ということで、今はまた勢力図も変わってきているだろうが、たしかにこれらの国々が先進国と後進国の区別を崩してきた。
広大な領土と豊富な資源、S国以外は億超えの人口、誰が見てもポテンシャルはでかい(メキシコがこれに入ってないのが不思議)。
R国はこの先どうなるのかわからなくなってしまったが。


最初はリオデジャネイロから出発して西進する予定だったが、フライトの都合でサンパウロ発になってしまった。
とりあえずリオデジャネイロに向かって東進する。


ここは南半球。
太陽は東から北に昇って西に沈む。
北半球でつくられたアナログコンパスは、針の重さの関係で南半球では正常に作動しない。


ブラジルの国土は日本の22.5倍。
オーストラリアよりも大きく、ヨーロッパ全土よりも大きい。

リオデジャネイロやサンパウロは赤道から遠く離れた南端に位置しており、すごしやすい気候。
ブラジル人たちはもう寒がっていて、ほとんどの人が上着を着てる。

完璧な条件で心地良くこいでいた時。
プシューっと派手な音。

こんなイカツイのがブッ刺さるとは。
僕のパンク歴の中でもこれは最大級。

新品のシュワルベのタイヤに、よくもやってくれたな。

新品のシュワルベのチューブには、接地側からスポーク穴側に貫通して穴が開いていた。
大パッチを4枚も貼り付けて修復を試みたが、ダメだった。
これぐらいハデなパンクになると、パッチでふさいでも空気を入れると穴が広がってしまって、太刀打ちできない。
タイヤは大丈夫、リムも無傷だが、チューブは走行開始わずかでお陀仏。

問題は、予備チューブがない!
まさかこんな出だしでチューブ交換することなどないだろうと、もう少し後でチューブを買うつもりでいたのだ。

さて、とりあえずは押して歩いて戻るしかない。
マップを見ると、街まで戻れば自転車屋はあるようだが(SIMでネット接続できるとこういう時に助かる)、果たしてチューブが入手できるのかどうか。
場合によっては十数km、いや最悪サントスまで戻らなければならない。

なんと、2kmほど戻って最初に現れた小さな自転車屋で、チューブを入手できた!

26インチの米式バルブ、完璧。
南北アメリカ大陸は全域で米式バルブが優勢。
ブラジル人が乗っている多くの自転車は26インチが多そうだなとは思っていた。
いやー、助かった。



うっそうと生い茂るジャングルが続く。
ブラジルといってもここはアマゾンからははるか遠く、大型の爬虫類やら魚類やらの気配はない。

しばらくはフラットだったが、アップダウンが増えてきた。

海岸沿いなので標高はそこまで高くなることはないが、かなりのスティープで思ってたよりペースが落ちた。

この日の宿は、Recanto Canto do Mar。
立派なシングルルームで52レアル(1361円)。

Booking.comにはたしかにドミトリールームと書かれているのだが、ドミトリーの料金でシングルに泊まれた。

宿の人から、「コーヒー付きだとプラス23レアル(602円)だけどどうする?」と聞かれた。
どんだけ高級なコーヒーなんだと思ったが、どうやらブラジルでは「café da manhã」、直訳すると「朝のコーヒー」、で「朝食」を意味するらしい。




宿からすぐそこには、こんな静かなビーチ。


安らぐ。



日は短い。
熱帯だから日が長そうに思えるかもしれないが、今は冬季。
日の出は6:30、日没は17:23。
18時にもなるともう真っ暗、走行も早めに切り上げる。

この海岸線はビーチリゾートも多く、宿が豊富。

安宿探しは、Booking.comに依存している。
昔はガイドブックぐらいしか情報がなくて、街に着いてから安宿を求めて何軒もまわって疲れ果て、やむなく高い宿に泊まってしまうことも多かった。
今は瞬時に最安の宿が見つけられるようになり、最安の宿を結ぶことでその日の走行プランが決定されるようになった。
これだけでもだいぶ宿代の節約になっている。

自転車は、宿の敷地内に置かせてもらえる。
都市部の狭い宿では、たまに置かせてもらえないというところもあるが、僕としては敷地内に置かせてもらうのは絶対条件。
これもあらかじめBooking.comに掲載されている写真でスペースがありそうかどうか見て、かつメッセージを送って確認しておく。

今のところ、ドミトリーでも各ベッドにコンセントがあり、電源に困ることはない。
Wi-Fiも概ね好調。
ロッカーもあるところが多い(鍵は自前で)。
ホステルで無料朝食付きのところはない。
どういうわけか、どの宿にも洗濯物を干す場所がない。
皆どこで洗濯してどこで乾かしているのだろう。
相変わらず客はブラジル人ばかりで、外国人らしき客は見ない。

WARMSHOWERSも、リクエストを送ってはいるが、いまだ承諾を得られず、誰も返信すらしてくれない。

広い路肩があり、走りやすい。


樹木がどんどん伸びて、道路に進出してくる。
あちこちで伐採作業をしている。

ブラジルはサイクリングがさかんで、街から離れてもロードバイクやマウンテンバイクで走る人が多い。
すれ違い様に「ボンジア!」とあいさつしてくれる。

ポルトガル語で「こんにちは」は「Bom dia」
ポルトガルではたしか「ボンディア」と発音していたと思うが、ブラジルでは「ボンジア」。
フランス語の「ボンジュール」とよく似ている。

ハキリアリ。

カットした葉を巣に持ち帰って、葉に寄生するアリタケと呼ばれるキノコを栽培し、それを糧として生きている。
アリタケも、ハキリアリによって栽培されないと増殖できないという相互共生関係にある。



どんな進化を遂げたらアリさんがこんな知恵を持つようになるのか。


これは何?


ブラジルの人口は、2億1400万人で世界6位。
主に沿岸部に分布し、特にサンパウロからリオデジャネイロにかけてのこのエリアに最も密集している。

人口が多い国の利点として、スーパーがたくさんある。
たいてい宿から数百m圏内にあるので助かる。
しかしやはり物価が高いので注意。

コカコーラ2Lが8.95レアル(235円)。
1.5Lが7.98レアル(210円)。


円安だから高く感じるのではと思われるかもしれないが、レアル⇆円チャートを見ると、それほど円安でもない。

本物のコカコーラはしばらくおあずけ。
ニセのコーラもまあまあ高い。

ブラジルでは日本の食材はかなり浸透しており、醤油なんかはバリエーション豊富にそろっていたりする。

カップヌードルヤキソバ味とはこれ如何に?

これはオンリーインブラジル。







リオデジャネイロまであと少し、最後の40kmはフラットなビーチ沿い。

路面ボロボロだけど、自転車レーンがあるだけでありがたい。

海、きれいじゃん。

リオに近づくにつれて気温上昇。
日中25℃。


トンネル内も自転車レーン。

サイクリストにとってトンネルは恐怖。
たいていのトンネルには自転車レーンなんてない。
ライトを点灯して、轟音の中をギリギリスレスレで走ったりする。






ビーチは夏のようににぎわっている。
通りも、半裸の人々が行き交う。


イパネマビーチとコパカバーナビーチ。
静かで落ち着いたビーチをイメージしていて、ボサノバでも口ずさみながら走ろうかと思っていたのだが。
これは落ち着かん。


Rio de Janeiro, Brazil

686km (Total 137830km)



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