チリ(Hito Cajón)→ボリビア(Hito Cajón) 国境越え
先日下ってきた道の途中に、チリとボリビアの国境がある。
もしその国境近辺に1軒のスーパーと両替屋さえあれば、わざわざサンペドロデアタカマまで行くことはなかった。
サンペドロデアタカマで物資補給、態勢を整えて、来た道を43km戻る。
ただでさえ来た道を戻るのはダルいものだが、標高差2200mも登り返さなければならない。
43kmでも1日がかりだ。
救いは、傾斜が比較的緩やかであること。
ヘアピンカーブでドギツく登っていく箇所もなく、直線的に徐々に高度を上げていくのでペースもつかみやすい。
路肩完全舗装路であることも助かる。
荷物は、間違いなく今回の旅で最大重量。
スポーク折れたりリム割れたりしませんように。
うまくいけば夕方に国境到着、その日のうちに出入国をすませられるかなと思っていた。
が、終盤になるほど傾斜が急になり、空気も薄くなり、風も強くなり、ペースダウン。
標高4600m。
19時すぎ、チリ側のイミグレーションに到着。
残念ながら、すでに閉まっていた。
少し戻ってキャンプ。
朝、テント内-3℃。
日中はほとんどTシャツ短パンですごしていたことを思うと、すごい気温差だ。
砂漠性気候の放射冷却と標高を考えれば、冷え込むのも当然か。
チリ側
8時、一番乗りでイミグレーションへ。
オープンしても、係員たちはまだグズグズと準備をしている。
窓口の係員は、自分のためのコーヒーを入れ、眠そうな顔でパソコンをカチャカチャやり始める。
いつも通り、パスポートと自転車持込申請書を提出するだけ。
特に何もなく、出国スタンプが押された。
所要トータル10分。
チリペソ。
緩衝地帯
ボリビア側のイミグレーションまで5kmほど、緩衝地帯を走る。
ボリビア側
オンボロの小屋に「MIGRACION」と書かれている。
こちらも8時オープンなのだが、チリとは時差があるため、ボリビア時間の8時まで待機。
また一番乗りで小屋の前で待っていたのだが、数十人もの欧米人旅行者たちがやってきて行列ができた。
僕の自転車に興味を持って「写真を撮らせてくれ」という人が続出。
自転車旅だったらあなたたちの国の方が本場でしょうと思ったが、なんだかチヤホヤされ激励された。
8時をすぎてもまだ開かない。
しばらくして係員が「2分待て」と言った。
それから10分ほどたって、ようやくオープン。
必要な物はパスポートのみ。
質問は「入国か出国か?」のみ。
「入国」と答えて、あとはパスポートをペラペラとめくり、入国スタンプが押された。
事前リサーチでは、現在でもボリビアはワクチン証明が必要とのことだが、少なくともこの国境では不要だった。
所要トータル30分、手続きだけだったら30秒。
30日以内の滞在であればビザ不要。
入国審査なんて、こんなもんでいいんだよな。
パスポートに入っている情報を読み取ってデジタルな手続きだけすませればいい。
チリみたいに余計なペーパーワークを増やしても何にもならない。
ボリビア走行開始。
もちろん、ボリビアでまともな路面なんぞ期待していない。
6kmほど進んでブランカ湖まで来ると、ゲートが出現。
ここで、よくわからない入国カードのような紙に記入させられた。
せっかく褒めてあげたのに、結局ボリビアも紙かよ。
これが何だったのかはわからぬまま、ただ記入して提出するだけでOK。
そのすぐ先でまたゲート。
今度は国立公園の入場料支払い。
このルートを通るなら否応無しに求められる通行料。
150ボリビアーノ(2862円)。
ボリビアの物価を考えると激高。
自国民は払えないだろう、外国人からはいくらでもふんだくったれという、いつものやつ。
これで必要な手続きは完了。
Uyuni, Bolivia
12682km (Total 149376km)