ハマ→サンペドロデアタカマ (Chile)

すでに入国手続きはすませたが、地理的な国境はハマのイミグレーションから5kmほど進んだところ。

とたんに路肩舗装、アルゼンチンに対するマウンティングを怠らない。
サイクリストとしてはこれだけでとてつもない安心感が得られる。

チリは動植物持込禁止、コカの葉も持ち込めない。
せっかくいただいたものを処分したくなかったので、葉を煮出してコカ茶をつくっておいた。

砂糖をたっぷり入れると、とてつもなく美味。
ハチミツを入れても合いそう。

まさかの雪。

標高4300m。
広大な砂漠と塩湖の世界。



この大山脈アンデスも太古は海の底にあり、地殻変動によって隆起した。
乾燥した気候で蒸発が激しく、平坦な地形で流出する河川も少ないため、かつて海水に含まれた塩が今もここに湛えられている。
ウユニ塩湖やアタカマ塩湖を始め、数多くの塩湖がこの地域に集中している。



これらの塩原には、豊富なリチウムが埋蔵されている。
アルゼンチン、チリ、ボリビアにまたがるこのエリアはリチウムトライアングルと呼ばれ、世界のリチウムの半分以上を占めているとも言われている。
日本はリチウム電池の8割をチリから輸入しており、今後のEV化時代においていっそう重視される。



リチウムを採掘するには大量の地下水を汲み上げる必要があり、その際に鉱物など有害な物質が溶け込んで汚染される。
砂漠気候で暮らす近辺の人々にとっては水が枯渇する死活問題、生態系への悪影響も懸念される。



EVであれガソリン車であれ、80億にまで達した人類が活動していくには、エネルギー供給のために地球を削り取り汚すことは避けられない。
その汚染方法をシフトしようとしているだけだ。

パターン通り、夕刻から強い西風。
長い登りで進まず。
キャンプしたいところだが、風を防げる何らかの壁が必要。

標高4500m。
道路下のちょっとした崖に、いい場所発見。

誰かが石垣を組んだ跡。
うまい具合に風を防いでくれている。

深夜、雪がテントに降り注ぐ音が聞こえた。

朝。

真夏の砂漠に小雪の降り積もる。



夜、なるべく口を開けて多くの酸素を取り入れるように意識して就寝する。
すると夜中に喉が乾いて目をさますことになるが、酸欠になるよりはマシ。
しかし朝、目をさますと口を閉じており、酸欠状態になっている。
軽い頭痛、やや激しい鼓動、気だるさ。
せっかく早起きしても、脳と身体が起動するまで時間がかかる。
この砂漠の雪景色にハッとさせられ、小急ぎに出発。

さらに登り、標高4800m。
名もなき峠。



砂漠では、雪は溶けるのではなく蒸発する。


路肩消滅。





なんだ、ここは。

赤い砂漠に雪山、清流に水草。

なんという色彩。


何も知らず通りすぎただけ。
こんな美しいとは。







水辺にいればいいものを、こんなところに何があるというのか。

おそるべし、ビクーニャの生存力。
さすがラクダの仲間。

標高4700m。


あちこちで局地的な雨雲が。

雷音も聞こえてきた。
まもなく、また雪。

本日二度目の標高4800m。

そして、下り。

リカンカブール山(5916m)。

落ちる〜

標高2400mのサンペドロデアタカマまで、ひたすら下降。



San Pedro de Atacama, Chile



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