アウストラル街道 1 プエルトモント→チャイテン (Chile)

朝のプエルトモント。

プエルトモントから南へ、オイギンスという街までの1200kmは、アウストラル街道(Carretera Austral)と呼ばれる。

海沿いを走るのは気持ちいい。

ブレーキはベストコンディション。
ホセ、グッジョブ!

風景が変わり、交通量が激減した。
交通量が少ないというのは、サイクリングを楽しむ最重要条件のひとつ。

人柄も変わった気がする。
すれ違う人が笑顔であいさつしてくれる。

イヌに追われる頻度は日に日に増している。
そろそろ棒っ切れでも用意しとくか。

フィヨルドの複雑な海岸線。
アウストラル街道は船旅を混じえてのルートとなる。
ちょうど港へ着くタイミングでフェリーが来てくれた。

港へ着くとすかさず係員がやって来て、支払いを求められる。
2600ペソ(408円)。
カード払い可。

30分ほどの短い航海の割には立派なフェリー。

上陸後、向かい風のためあまり進めず。
たまたま現れたキャンプ場で。
5000ペソ(784円)。

翌日、雨。
あ~、嫌な雨。
それでも進まざるをえない状況のため、オルノピレンという街まで走った。

またキャンプ場。
テント設営中、キャンプ場の人が食事を持ってきてくれた。

なんてありがたい。
おいしい。

5000ペソ(784円)。
これはすばらしい。
屋根付き。
電源あり。
Wi-Fiあり。
ホットシャワーあり。
パーフェクト。

キャンプ場はリーズナブルなのに、宿はどうしてあんなにも法外な料金をとるのだろうか。
この街にはホステルが1軒あるが、ドミトリーで3000円を超える。

キャンプ場で「電源・Wi-Fi・シャワー」という三大要素がそろっていれば、宿に泊まるメリットはない。
他の客に気を遣うドミトリーなんかより、テントの方がプライバシーを確保できてゆっくり気を休められる。
ただ、このキャンプ場は僕の他にも客がいた。


防犯という課題はある。
ふつう宿は、特にホステルなんかは施錠されていて敷地内に自由に出入りできない。
鍵を渡されて自分で解錠できればいいが、そうでなければいちいちベルを鳴らして開けてもらう、これはこれで面倒くさい。

キャンプ場という最も無防備な宿泊施設に限って、施錠されていない。
部外者でも誰でも敷地内に入れて、テントに侵入して全部持って行かれてしまう。
もちろん貴重品は常時身に付けているが、それ以外の物は限度がある。
所持品はすべて貴重、多くは現地での入手は難しい。
トイレやシャワーに行く時、買い出しに行く時など、リスクは高い。

翌日。
嵐のため、連泊。
今のテントは防水性は維持できているが、さすがにこんな激しい風雨に長時間打たれたら浸水していただろう。
キャンプ場の屋根に守られ、安心してすごせた。
テント内で電源をつないでWi-Fiでネットできて、超快適。
悪天候を口実に、のんびりダラダラ。
この条件だったら何泊してもいい。

3日目、ようやく晴れた。

やはり人柄が穏やかでフレンドリー。
歩いているだけで、笑顔であいさつしてくれたり、英語で話してくれたり。
今までのチリ人も悪くはなかったけど、割とドライめの人が多かった印象。

アルゼンチン以外ではカード払いがメインで、現金は少ししか持たないようにしているのだが、カード払いができないケースが増えてきた。
おそらく、僻地になるにつれて通信状況が悪化するせいだろう。
昨日と同じ店で同じカードで払おうとしても、たっぷり待たされた挙げ句に「使えません」となり、仕方なく現金で払うことになる。
この街にはATMがあるが、今後ATMも怪しくなる可能性がある。
いざという時のためのドルもあるにはあるが、持ち金が尽きたら終了、という僻地ならではのスリルが迫ってきた。
SIMのつながりもめっぽう悪くなってきた。

オルノピレンからまたフェリー。

4時間半ほど、長めの航海。
6950ペソ(1074円)。

はるばるヨーロッパからキャンピングカーで来ている人もいる。

いったん上陸して、バスに乗って10kmほど陸路で。
バスの乗客は僕だけ。

またフェリーに乗る。
チケットはここまで含まれている。

この日は船旅でほぼ1日を費やした。
上陸してすぐ、森に忍び込んでキャンプ。

すぐそばに小川。

ヒルに血を吸われた。

交通量はさらに減り、1時間に数台程度。
夜はほぼまったく車は通らない。
今までは自然の中でキャンプしていても車のノイズがずっと聞こえていたが、ここは自然の音だけ。

未舗装。

未舗装の中では、かなり上質。
地盤は固く、デコボコは少なく、大きい石も少ない。
タイヤが小砂利を弾く音が心地良い。
ヘタな舗装道路よりこういう方がいい。

アップダウンはキツい。
標高は高くないが小刻みな急勾配で、ペースは激落ち。

山から無数の小川が流れ落ちる。
そのまま飲めそうな澄んだ清流。
水に困ることはなさそうだ。

湖も美しい。



アウストラル街道。
よけいなことは考えなくていい、無心になって旅を楽しめる。


火山。

このままずっと未舗装かと思いきや、不意に舗装。

チャイテン。

この先はさらに街が少なくなっていくので、食料をたっぷり買い込んでおく。

キャンプ場。

8000ペソ(1237円)。
僻地になるにしたがって物価も上がっていく。
でもここも必要なものはすべてそろっているので助かる。


Chaitén, Chile

8505km (Total 145199km)



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