アンデルマット(Switzerland)→ファドゥーツ(Lichtenstein)
アンデルマット。
谷底の街。
また上昇。
山岳鉄道建設に関しても、スイスの技術は世界トップクラス。
険しい山中でも当たり前のように鉄道が網羅されている。
今日も無数のサイクリストが峠を攻める。
この夫婦は60〜70歳ぐらいに見えた。
タンデムはしんどいでしょう。
標高2000mに駅があるのもスイスではふつう。
自転車もそのまま乗せられるようだ。
ケーブルカーも行き来している。
下り。
スイスは北海道の半分の国土に、人口900万人。
北海道の人口は500万人。
山と湖しかなさそうなイメージに反して、スイスはけっこう過密なのだ。
ちょっと走れば小さな街があり、スーパーもあり、泉もあり、補給に困ることはない。
雨。
一気に気温低下。
思ってたよりも早くヒートドームが崩れて、低気圧がやってきたか。
サイクリストが雨を祝うなんてそうそうめったにないですよ。
橋を渡って、リヒテンシュタイン入国。
リヒテンシュタイン公国。
東京23区の4分の1ほどの国土面積に、人口4万人。
ヨーロッパにはこういう謎のミニ国家がいくつもある。
ヨーロッパ旅は4度目になるというのに、いまだすべての国をおさえることができていない。
リヒテンシュタイン家は中世から続く名門貴族で、オーストリア=ハプスブルク家に仕えていた。
第一次世界大戦でオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊すると、新たな後ろ盾を必要としたリヒテンシュタインはスイスと結びついた。
独立を維持したいリヒテンシュタインと、友好的な隣国を得たいスイス、という利害関係が一致。
スイスとリヒテンシュタインは関税同盟を結び、異国でありながら同じ経済圏を共有している。
通貨はスイスフラン。
外交や国防はスイスにアウトソーシング。
国内には空港も鉄道もなく、最寄りの国際空港はチューリッヒ。
EU非加盟だが、EEA(欧州経済領域)には加盟している。
EUの意志決定には左右されないが、EU市場とは接続してメリットを享受する、という立場。
同じくEU非加盟のノルウェーとアイスランドもEEAには加盟している。
これほどのミニ国家なら大国に併合されそうなものだが、スイスとしては併合や領土拡大は永世中立国の理念に反する。
リヒテンシュタインはれっきとした独立国家でありながら、実質的にはスイス経済圏の一部。
1人当たりGDPはルクセンブルクと匹敵する世界トップクラス。
平均月収は120万円。
ただしルクセンブルクと同じく近隣国からの越境労働者が多いなどの事情で、数字をそのまま鵜呑みにはできない。
それでも世界で最も裕福な国のひとつであることはたしかだが、豪邸が立ち並んでいるような感じではない。
人口わずか4万人なら住む土地には困らなそうだけど、なぜにそんな険しい立地に?
物価はスイスと変わりない。
スーパーもスイスと同じ。
公用語はドイツ語。
旅行者目線だと、スイスとの区別はつかない。
首都ファドゥーツ。
中心地は意外と観光客でにぎわっている。
主産業は、精密機械工業。
歯科医療機器、建設用機器、電動工具、など。
入れ歯や義歯の分野においてリヒテンシュタインは非常に大きなシェアを持っている。
量産型ではなく、他国には容易に真似できない高度な技術を売りにする、高付加価値産業に特化させる小国ならではの戦略。
タックスヘイブンをはじめとする金融業も、小国の常套手段。
切手販売も、重要な国家収入となっている。
コレクター向けに、緻密で芸術的な切手を製造。
これも量産ではなく発行枚数を限定することで価値を上げることができる。
人口の多さは国を発展させる上で大きな武器になるが、逆に人口の少なさも大いにメリットになりうる。
人口4万人なら政府は人や企業をコントロールしやすく、意志決定も早く路線変更も柔軟にできる。
キャンプ場。
28.50フラン(5557円)。
首都にはユースホステルもあるが、ドミトリーで1万円を超える。
テントにリンゴがボトボト落ちてくる。
食べたみたら、すごくおいしい。
くつろぎスペースもあり。
電源もあり。
リヒテンシュタインはウズベキスタンと並んで、世界にふたつしかない二重内陸国。
という地理雑学は知っていても特に何にもならない。
Vaduz, Lichtenstein
1982km