リヤド→ジュバイル (Saudi Arabia)
リヤドから脱出するにはシンプルな一本道なのだが、やはり道路の構造は完全車専用で、分岐と合流の連続、いつまでも途切れない流れのわずかなスキを狙ってなんとかかわしていき、立体交差は直進すべきなのか側道で迂回すべきなのかの判断も難しく、緊張が続いた。
ようやく、快適安全な砂漠ロードに復帰。
これも海水淡水化プラント。
マップ上に「Police Check Point」という文字を見つけて気が重くなったが、幸い何も言われずスルー。
走行中も時々パトカーが通過するが、何もなし。
頭おかしいのはメディナ州の警察だけだったか。
ハイウェイ沿いではうまいこと寝場所が見つけられなかったので、ローカルロードへ。
公園があるようだったので行ってみたが、ここは営業時間が決まっており、キャンプも禁止。
ちょうど閉園寸前で公園管理者に止められ、せっかくだから少し公園の中を見ていきなさいと言われた。
この公園、日本がつくったそうだ。
もう日没、寝場所を探しまわる時間もなく、公園敷地外の適当な場所を陣取った。
また車が止まり、アラビア語オンリーだがニコニコと人の良さそうなおじさん。
助手席の奥さんが、なんと英語で話してくれた。
「あなたはサウジアラビアで僕と話してくれた初めての女性です」と言ったら、
「サウジの女性だっていろいろよ」と言われた。
なるほどー。
すごくオープンな方だったので、ダメもとで写真をお願いしてみたら、快くOKしてくれた。
差し入れドッサリ。
紹介が遅れてしまったが、ここでは定番のドライフルーツ。
ナツメヤシの実で、デーツと呼ばれる。
まろやかでコクがあり、強い甘味。
プラムに似てるかな。
アラビックコーヒーとの相性がとても良い。
また車が止まり、デーツをいただいた。
6個で5リヤルって、これ1個0.83リヤル(32円)もするのか。
日常的に食べてるけど、自分で買ったことはないので値段は知らなかった。
日が短い。
16時半にもなるともう日没に追われる。
うまいこと道路下に潜りこめた。
天井低めだったけど、やっぱ寝るならここが一番落ち着くな。
日の出は6時半。
久々のパンク。
オークランドでタイヤ購入してから5700km走って、初めてのパンク。
やっぱタダもんじゃないな、シュワルベマラソンプラス。
走行条件は非常に良い。
日が短いにもかかわらず、ここんとこ1日130kmペースで進んでいる。
せっかく気分良く調子良く走っていたのに、また州が変わったのか、またしてもパトカーが止まった。
またアラビア語オンリー、車から降りずに偉そうに尋問してくる。
毎度毎度、同じ対応、同じ質問。
また「許可証は持ってるか?」と聞いてくる。
もういいかげんその質問やめろや。
存在もしないし必要もない許可証なんてものについて聞いてどうする。
そしてまた、ストーキング開始。
一気にストレスMAX。
しばらくして、別のパトカーにバトンタッチ。
僕が止まって休憩すると、また車から降りずにクラクションを鳴らして大声で呼びかけてくる。
不機嫌モードMAX。
「うるせえ! クラクション鳴らすんじゃねえ!」
とつい声を荒らげてしまったが、英語通じない。
その若い警官は「なんだ、どうした?」みたいな顔をしやがる。
言葉が通じなくても僕が怒ってる理由ぐらいわかるだろ。
その後、サービスエリアで休憩。
なるべくパトカーを意識から消したいのだが、またすぐ近くにピッタリと停車しやがる。
だから、ちけーんだよ。
すかさず移動してパトカーから離れたところに腰かけると、またすかさず間近に来やがる。
「つきまとうんじゃねえ! 離れてろ!」
とまた声を荒らげてしまった。
誰がどう見たっておまえのことを嫌がってるのわかるだろ。
学校でも家庭でもイスラムでも何でもいいけど、他人の気持ちを察するってことを教育されずに今まで生きてきたの?
彼はまた、「どうしたの? 何そんなにイラついてるの?」みたいな顔をしやがる。
なんでそんなピュアなんだよ。
マップを見ると、あと40kmほどでハイウェイから逸れてローカルロードで目的地に向かうことができる。
こいつはもうどうにもならない、あと40km辛抱しよう。
予測通り、ローカルロードに逃げこみ、しばらくして振り返ると、パトカーは消えていた。
ドッと疲れが出た。
大きなナツメヤシの木の下で。
暗くなる前にチャッチャと晩飯をつくっていたら、なんだかすごい夕焼け。
毎日毎日、夕日が身に沁みるぜ。
旅しててよかった。
降水確率、0%。
テントいらずの星空キャンプ。
ヘビが這った跡かな。
オアシス!
Jubail, Saudi Arabia
26676km (Total 163370km)