メディナ→ブライダー (Saudi Arabia)

メディナの先は、ハイウェイとローカルロードが並行している。
ムダなくサックリと進みたいならハイウェイだが、補給ポイントが少なそう。
ローカルロードは補給に困ることはなさそうだが、キャンプしづらそう。
迷うところだが、とりあえずローカルロードで。

声をかけられる頻度が高いのは、ローカルロード。
皆さん本当に日本が好きみたいで、日本人だと答えると明らかに対応が変わり、それはそれはうれしそうに喜んでくれる。

アイスコーヒーいただいた。

トラクターを運転していたインド人も、日本人だと答えると興奮気味になっていた。

日陰で休憩していても、すぐに声がかかる。

去ったと思ったら別の車が止まって、また差し入れ。

ローカルロードでも広い路肩があって走りやすい。

ミリンダ!

白ラクダ。

やはりハイウェイの橋の下のような好キャンプ地が見つからず、砂漠の避難所みたいなところで。

道路を走る車からは見られてしまう。

警察がやって来た。
上司に電話して、問題ないということで、写真を撮って去って行った。

満月。
日が沈んでもさんさんと明るく、ヘッドランプいらないぐらい。

朝方、日が昇る頃に沈む月。

ローカルロードも悪くないんだけど、クネクネとまわり道だしキャンプもしづらいので、ハイウェイに切り替え。

標高1000m。



州によって警察の対応も違うようで、この州ではパトカーが通りすがるたびに止められ、パスポートの提示を求められる。

地元民も警官も、本格的に英語が通じなくなってきた。
初歩的でも英語を話せる警官は礼儀正しくフレンドリーだが、中1レベルの英語も知らない警官ほどやっかいなからみ方をしてくるし、軽く高圧的だったりする。
前時代を生きている人たちなのね。

大声で繰り返されても、別に耳が遠いわけじゃない、根本的にあなたたちの言語は外国人旅行者には通じないんだよ、という現実が受け入れられないらしい。
今まで旅した国でもちょいちょいあった、自国言語を唯一絶対のものと信じて疑わない人たち。
全世界的に、警察の仕事に就くのなら最低限の英語ぐらい習得しておくべきだ。
自分から外国人に話しかけておいて英語わかりません、なんてお粗末にも程がある。

ひどいやつだと、パスポートをしばらく見つめた後、
「チャイナ?」
と言ってきたりする。
文字も読めないの!?
偉そうに人のパスポートをペラペラとめくっておいて国籍すら読み取れない、そんなやつはクビだクビ。

サウジアラビア人は、労働者の3割が公務員だという。
オイルマネーに甘やかされた負の側面。

すばらしい追い風で、この日は軽く130km走行。
GSに併設されているモスクで水浴びしていたら、誰かがヨーグルトを置いていってくれた。

翌日。
一転して、向かい風。

前日は20km/h以上でかっ飛ばしてたのに、この日は10km/h以下。
せっかくのフラット&ストレートなのに、風向きひとつで天国から地獄へ。
丸一日かけても80kmほど。

検問。
サウジアラビア人以外はここで止められ、IDを提示する。
英語力ゼロの警官たちがなにやら大声でワーワー言ってくる。
嫌な予感。

パスポートを提示。
偉そうに人のパスポートをペラペラとめくった後、
「フィリピーノ?」
警察官ってバカでもなれる職業なの?
パスポートを何だと思ってるの?

それからパスポートの写真を撮るのに、どこかの国のビザのページを撮ろうとする。
そこじゃない、正規の顔写真のページが最初にあるだろ。
宿泊施設なんかでも、パスポートの見方も知らないやつがよくやるミス。

オールアラビア語だが、「どこへ行く?」とか「許可証を出せ」と言われているのはなんとなくわかる。
今まで自由に走らせておいて、突然許可証とか言い出すのやめろや、知らん。

嫌な予感は的中。
他の外国人ドライバーたちは次々に通過していく中、僕だけがパスポートを取り上げられたまま、これは長くなりそうだ。

中1レベルの英語も知らない警官が続々と集まり、一切の躊躇なくアラビア語で話しかけてくる、それも同じ質問の繰り返しっぽい。
だから外国人旅行者にアラビア語が通じるわけないだろ、いいかげん学習しろや。
翻訳アプリを使うにも、僕のスマホを使おうとしてくるのでお断りする。
こちらからあなたたちには何の用もない、聞きたいことがあるなら自分のスマホ使えや。

パキスタン人ドライバーをつかまえて、「おまえら英語しゃべれるか? この日本人に通訳してやってくれ」などと言っているようだが、もういいよ。
どうせまた「どこへ行く?」とか「許可証は?」とか、バカな質問を繰り返すだけだろ。
ここでムダなおしゃべりしても何にもならない、とっとと終わらせろや。
個人情報はパスポートに記載されている、文字が読める人間ならその情報だけで処理しろや。

丸一日向かい風走行で体力を消耗している状態だというのに、僕には何のメリットもないただただムダなこの時間に、もうウンザリ。
アラビア語で話しかけられても一切無視、畜生を見るような蔑みの目で見下す。

1時間後。
ようやくパスポートが返却され、解放。

とりあえず、すぐ近くのGSへ。
低能猿どものせいで、もう日没間近。
食料を買い、モスクで水浴びして洗濯して、今日はもう進まずGS敷地内で寝るしかないか。

すると、またパトカー。
クラクションを鳴らし、車の中から何やら叫び、こっちへ来いみたいなジェスチャーをする。
どうしてこいつらはいつも車から降りないのだろう。
こちらからは何の用もない、用があるなら車から降りてこっちまで来て話せや。
クラクションを鳴らす時点でゴミクズであることが証明されているし、やはり最低限の礼儀も知らない猿だ。

ようやく翻訳アプリを使うという知恵を得たのか、スマホの画面を僕に見せてきた。
「夜は走ってはいけない、今日はここに泊まって、明日出発する時に警察に電話しろ」
誰が電話なんかするか、何のために?

GS敷地内のどこかで寝るつもりだったが、警官が言うにはここには宿があるらしい。

これが宿?
よそ者には絶対わからんな。
100リヤル(3914円)。
カード払い不可。
Wi-Fiなし。
ボロくて汚くて臭い。
警察が払えよ。

翌日。
もちろん警察に電話などせず走行開始。

しばらくして振り返ると、パトカー。
またコンボイか。

休憩する時も、パトカーもピタリと止まる。

性懲りもなくアラビア語で話しかけてくる。
無視。

この日も、容赦ない向かい風。
まだ風の弱い朝の2時間ぐらいが距離の稼ぎ時で、日が高く昇って9時にもなると、みるみるスピードが落ちてゆく。
その後はひたすら風との戦い。

10km/h以下で進む自転車に一日中ついてくるなんて、どんだけヒマなんですか。
国民の税金を使って、と言われそうだが、ここは税金がない国だった。

川?

流れてはいない、水たまりレベルだが、自然の水も存在するんだな。

昼。
ハイウェイに現れるGSには、スーパー、レストラン、モスク、と必要なものがそろっている。
スーパーの品ぞろえも豊富で、結局ハイウェイルートでも補給に困ることはない。

ここにもパトカーはついてくる。
見て見ぬふり、なるべく視界に入れず。

スーパーで食料を買い、座って食べていた。
すると警官がスマホの画面を見せてきた。

「Wait here. I go to pray.」
(ちょっくらお祈りしてくるからここで待っとれや)

くっそっ、、、
だから、こっちサイドに1ミリのメリットもないのに、どうして警察側の要求だけを一方的に聞かされなきゃいかんのか。

この辺は緑が豊かだな。

つくりものっぽいけど、自然の山。

この山のふもとに、GS、スーパー、モスクと必要なものがそろっており、公園もある。
この公園でキャンプすることにした。
たとえ安全でも人目があるところでキャンプは避けたいのだが、警察に監視されているので橋の下に潜りこむこともできない。

最後に話しかけてきた警官は、初歩的な英語を話せる人だった。
ちゃんと車から降りてきて、笑顔で握手を求めてきた。
こういう人には僕も相応の礼儀と友好的態度で応える。

公園でキャンプするのはまったく問題ないと言われた。
日本、いや日本以外の国でも公園でキャンプするのを警官が許可するなんてふつうはないな。


幸い、日が沈むと人気はなくなった。
街灯が明るい。
さすが燃料の国、電気も惜しみなく使うようで、誰もいない公園がさんさんと輝く。

翌日。
振り返ると、またパトカー。
いつまでついて来るつもりなのかね。

2、3日前に出会ったレクサス乗りの人に再会。

「ジャパーン!」と言って興奮して喜んでくれた。



Riyadh, Saudi Arabia

26148km (Total 162842km)



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