マダバ→アルマズラー (Jordan)
マダバから死海へ。
標高差は約1200m。
日本がつくった橋。
↓2012年撮影。
ヨルダンと日本の関係は非常に良好。
石油資源もなく水資源も極めて乏しいヨルダンを長年にわたって援助しており、王国というのもあって王室・皇室の友好関係も築かれている。
ガザ問題に対するヨルダン王妃の毅然としたスピーチには心打たれた。
ヨルダン人に「どこから来た?」と聞かれて「日本」と答えると、満面の笑みを見せてくれる。
先人たちが築いた友好関係の甲斐あって、日本人はビザフリーでヨルダンに入国できる。
↓2012年撮影。
長~い下り。
死海は白亜紀までは外洋とつながっていたが、海底隆起によって閉ざされた海となった。
降雨量はごくわずかのきわめて乾燥した砂漠気候、流入する河川はヨルダン川のみ。
流入量より蒸発量が上回るため、年々湖面が低下して世界一の低地となった。
ここで海抜0m。
死海はまだまだはるか下。
現在も湖面は低下しており、特に近年はヨルダン川の灌漑の影響で10年で10m以上のペースで低下し、現在の湖面標高は-430m。
2012年にここに来た時より10mも水位が下がっているのか。
面積も縮小しており、この60年で40%減。
現在は琵琶湖より小さい。
塩分濃度は海水の10倍、水量減少すればさらに濃化していくのだろう。
一部の菌類を除いて生物は存在しない。
他のどの海とも湖とも類似しない、独自のオーラを放っている。
いずれ枯渇してデスバレーのようになるのか、それともウユニ塩湖のようになるのか。
下りきった。
暑い。
うっとうしいハエ。
乾く。
アメリカのデスバレーは最低標高-86m。
同じく11月に走行したが、やたらと喉が乾いた記憶がある。
「死海」も「デスバレー」も、これ以外のネーミングはありえないドンピシャ。
生命を寄せ付けない死の地。
街も店もなく、口渇に耐えながらひとり走る。
今日、たまたまBuddy Guyの「Everybody's Got To Go」を聴いていたら、「Across that River Jordan」というフレーズが聞こえてきて驚いた。
Curtis Mayfieldの「People Get Ready」にも「Train to Jordan」というのがあるし、ブラックミュージックにおいて「ヨルダン川」というのはメタファーとして定番になっているようだ。
アメリカ南部の奴隷州からオハイオ川を渡って北部の自由州をめざす黒人たち。
かれらはそれを、エジプトからヨルダン川を渡って約束の地カナンをめざす聖書のプロットと重ね合わせた。
僕は10代の頃から長年にわたってブラックミュージックに親しんできたが、今までこれは意識してこなかったし、知らなかった。
Aqaba, Jordan