ボリビア(Khasani)→ペルー(Puno) 国境越え
コパカバーナの南9kmほどにカサニという国境がある。
通常であればそこからペルーに入国して陸路でプーノ方面へ行けるのだが、例の暴動によってペルー側のイミグレーションが機能していない。
ペルーに行くには、コパカバーナから船でプーノへ行き、プーノの港にあるイミグレーションで入国手続きができる。
以上が、事前に得た情報。
しかしいざ、コパカバーナの街でプーノ行きの船を探しても、ない。
こういう時のボリビア人は、また実に不親切でウソつき。
「プーノ行きのチケットはどこで買えるの?」と聞くと、
「あっち」と指をさす。
「あっちってどこよ?」と聞くと、
「あっちだよ、あっち」と適当に指をさすだけで、埒があかない。
冷たくあしらわれながらも人に聞きまくった結果、プーノ行きの船というのは存在せず、カサニの国境はもう開いてるから陸路でプーノに行ける、という。
複数の人々が皆同じことを言うので、これは信頼できるか。
やはり情勢は変わっているのか。
翌朝。
現地で収集した情報を信じて、船は使わず陸路でペルーに入国すべく、カサニへ。
ボリビア側
イミグレーションへ行くと、
「ペルー側が閉まってるから陸路では行けないよ」
と、あっさり現地情報が覆された。
やっぱりあいつら、口からでまかせ言ってやがったのか。
「プーノに行くなら船に乗るしかないよ」
「でも船はないって言われたよ」
「あるよ、すぐそこでチケット売ってるから、チケットを買ったらもう一度来い」
・・・そういうことか。
プーノ行きの船はコパカバーナからではなく、カサニから出港しているのか。
たしかに、イミグレーションのすぐそばでセニョーラたちがプーノ行きの船のチケットを売っている。
80ソル(2800円)、または160ボリビアーノ(3117円)。
カード払いは不可、現金のみ。
もうボリビアーノはほとんど使い切ってしまっていた。
カサニにはATMはなく、あるのは両替屋だけ。
ドルなら持っているので、10ドル紙幣と5ドル紙幣を合わせて両替しようとしたら、小額紙幣は受け付けない、という。
ふざけんなよ、小額紙幣だっていいじゃねえかよ。
いろいろ交渉してみたが、結局ダメ。
残された手段は、コパカバーナに戻ってATMで現金を下ろして、またここに戻ってくるしかない。
あ~、めんどくせえなー。
片道9km、標高3900mでまあまあアップダウンのある道のり。
スマホで調べればあらゆる情報が得られ、現金を持ち歩く必要もないのが当たり前の時代だが、まだまだこういうことがある。
アフリカなどの途上国では中国によってITが導入されて飛躍的に発展するリープフロッグが話題になったりするが、大国からの投資がたいして注がれないこういう国が発展するには地道に長い年月を要する。
コパカバーナのやつらも、観光業で食ってるんだったらこれぐらいの情報は知っとけよな、それ以前にウソを教えるなんて人として言語道断だけど。
と、ひとりでブツブツと不満をこぼしながらコパカバーナに戻って現金を下ろし、またカサニに戻り、チケットを購入。
それからイミグレーションで出国手続き。
先日の滞在期限に関する投稿でも書いたが、今は延長手続き不要で90日滞在可になったということを末端の係員が知らず罰金を課せられるのでは、と案じていたのが的中したのか、複数の係員が僕のパスポートを見てあーだこーだと言い合って10分ぐらいムダに待たされ、僕はきっちり説明する準備をしていたのだが、結果何事もなく出国手続き完了。
船着き場は、イミグレーションの真下。
カサニ↔プーノの船について検索してもヒットしない。
およそ港と呼べる代物ではないこのやっつけな船着き場からしても、ペルー暴動以降の臨時の運航と思われる。
ちゃんと確認したわけではないが、10時、12時、14時、の1日少なくとも3便はあるっぽい。
もちろん時間は正確ではない。
プーノからボートがやって来た。
小さな船体にこんな多くの乗客と荷物。
続いて乗船。
14:30、出港。
なんと、乗組員の一人が日本語と英語を話せる人だった。
チチカカ湖も一大観光地だからそういう人がいてもおかしくはないのだが、考えてみたらボリビアに入ってから英語を話せる現地人には一人たりとも出会ってなかった。
ボリビアボリビアーノ。
ペルー側
5時間半後、プーノに到着。
時差があるので、ペルー時間だと19時。
もう暗い。
イミグレーションはちょうど閉まった直後で、明日またここに来て入国手続きをするよう言われた。
プーノ市街地にもイミグレーションがあるようだが、現在出入国手続きができるのは港のイミグレーションのみ。
おそらくこれも、暴動の影響で臨時に設置された即席イミグレーション。
Puerto Muelle Puno
月~土
5~9時、15~19時
20人ほどの人だかり。
ボートが到着した直後のタイミングで来てしまったか。
皆ペルー人またはボリビア人と見える、パスポートではなくIDカードを持っている。
第三国者は僕だけ。
狭い一室で中に入れるのは関係者のみ、越境者は屋根もない屋外で待つ、雨が降ったら嫌だな。
外にいる関係者から入国カードを渡された。
ペンを持ってきてなかったので借りた。
書き始めると、みるみるインクがかすれていく。
いいかげんこの入国カードとかいう無意味な古き悪しき風習は全世界的に廃止しましょうよ。
中からスタンプを押す音がパンパン聞こえてくるのだが、なかなか進まない。
やはり乗客全員分をまとめてさばくのは時間がかかる。
ようやく番がまわってきた。
質問は、「ペルーに何日滞在する?」だけ。
その後まもなくパスポートが返却され、完了。
90日以内の滞在であればビザ不要。
所要40分。
これでペルー入国は無事クリア。
Puno, Peru
13499km (Total 150193km)