キンセミル→イニャパリ (Peru)

標高650m、キンセミル。
下りきって最初に現れる街。

雨。
モワッとした熱帯の湿気。
ここはもうアマゾン。

もうケチュア人もアイマラ人もいない。
今までとは明らかに違う民族、アマゾンっぽい顔つきの人たち。
服装は特に民族的ではなく、暑いので皆ふつうにTシャツ姿。

急激な気圧変化で、所持しているボトル類がどれもクシャッとつぶれており、フタを開けるのにえらい力がいる。

大きな街ではないが、宿は多数ある。
大半の宿には看板に「Wi-Fi」と書かれているのだが、いざ聞いてみると、ないと言う。
「Wi-Fi? NO!!!」と軽くキレ気味に返されるのもよくわからん。
この街の宿を一軒一軒まわってみたが、全滅。
全員ウソつきかよ。
まったく、テレビなんかは邪魔なだけでほんといらんから全撤去していいから、Wi-Fiぐらいは整備しとけよな。
もう2023年だぞ。

あいにくこの日は、SIMも使えなくなっていた。
クスコの店舗でチャージして、まだ十分使えるはずなのだが、そこでもウソつかれたのかな。

ペルーのClaroは、オンラインで自分でチャージすることができない。
アプリは「お住まいの地域では使えません」と表示され、ブラウザでは途中まで手続きを進めることができるのだが、最後の最後で「できません」となる。

なので、店舗でチャージしてもらうしかない。
幸い小さな田舎街でも、ちょっとしたスマホ屋さんみたいな店にClaroの看板が出ており、そこで電話番号だけ伝えればすぐにチャージしてもらえる。
余裕をもって多めにチャージしたいのだが、10日間3GB10ソル(347円)ぐらいの選択肢しかなく、10日後にはまた店でチャージしなければならない。
とりあえずこれで最低限は使えるが、ブログの更新なんかは厳しい。

夜、ずっと雨の音が聞こえていた。

翌日も雨。

キンセミルの先は登りも出てきて、アップダウンを繰り返しながら川沿いを下っていく。
身体はまだ高地適応型で、こんなにも酸素濃度が高いと登り坂でもまったく息が切れない。

こんな強い雨が長時間続くのは、今回の旅では初めてかな。

たいした距離を進めず、マスコという街でストップ。
そこそこの街で、色とりどりのフルーツが店先に並び、すっかりトロピカル。

宿は50ソル(1735円)、カード払いもできた。
Wi-Fiあり!
しかも部屋は1階。

翌日。
晴れた。

この地域は永遠に雨なんじゃないかって思うような降りっぷりだったが、スッキリ晴れ上がった。
30℃超、暑い。

これは何だろう。

イヌどものウザさがMAX。
いちいちギャンギャン騒いで追いかけて来なくていいんだよ、バカなイヌども。

今まではその辺の石を拾って投げつけて対処していたが、あまりにも頻繁で、しかも複数の集団で襲いかかってくるので、頑丈な棒を常備。
もちろん間合いに入ってきたら本気でブチのめすつもりだが、ある程度の距離で棒を振りかざすモーションをとるだけで怖気づく。
怖気づくぐらいだったら最初からイキがって向かって来るなよ、バカなイヌども。
去ろうとすると再びスイッチが入ってギャンギャン吠えながら突っ込んで来るのでまた棒を振りかざす、これを何度か繰り返すうちに落ち着いていく。
1日何十回これをやらせりゃ気がすむんだ、ってぐらいライフワーク化している。

ペルーのイヌは、世界でもワースト3に入る。
クマだらけの北米ではベアスプレーを所持するよう注意され続けて渋々携帯していたが、結局一度も使用しなかった。
こういう土地でこそ、害獣駆除スプレーが必要。
水鉄砲に唐辛子ソースでも入れて顔面に撃ちこめば効果あるだろうか。
後の被害者を出さないためにも、痛い目に合わせといた方がいい。

飼い主も、敷地から出さないよう管理しとけよ。
バカイヌどもを野放しにしとくなよバカ。
もしこっちが噛まれて怪我を負ったとしても、謝罪、賠償、罪悪感、責任感、といった概念がゴッソリ欠落してそうなボサっとした表情をしてる。

イヌの管理も、その国の発展度に応じる。
この土地の飼い主たちに責任感というものが芽生えて、敷地から出さないよう管理できるようになるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。

クラクションバカどもも、いいかげん絶滅しろ。
ケダモノともが、クラクションを鳴らすな。
鳴らしたらその場で自決しろ、死ねゴミクズ。

クラクションは人類史上最悪の発明品。
人間の持つあらゆる醜さが詰め込まれた最も卑劣な兵器。
核兵器なんかよりも何よりもまず地球上から廃絶すべき汚物。

先進的な国であっても、人間が運転する限りクラクションバカを完全駆除することはできない。
唯一の希望は、完全自動運転化。
運転するのが人間ではなくAIであれば、クラクションが不要であることに誰もが気づき、全世界で全撤廃されるだろう。
一刻も早く、この世からクラクションが駆逐撲滅根絶されて平和な時代が訪れますように。

クラクションバカにバカイヌども。
まったく進歩がないやつらだ。
もう2023年だぞ。


また小さな街で1泊。
またしてもWi-Fi詐欺。
そして一時断水。
今まで乾燥地帯でも断水なんて一度もなかったのに、なんでこんな水が豊かなところで断水するのか。
最低限のサービスも提供できずこちらの要望は聞き入れないくせに、「外出する時は鍵を置いてけ」とか客に対する要求だけはいっちょ前だ。

とてつもなく暑い。
体ベトベト、気持ち悪い。
エアコンがないのは仕方ないとしても、扇風機なしではとてもいられない。
最強にして体に風が当たるようにして、一晩中つけっぱなしにする。
蚊はいない。

閉鎖的な定住農村社会。
外国人は皆無、人々は怪訝な目で僕を凝視し、店でのサービスは粗野。
自分の言語が世界中誰に対しても通じると信じて疑ってないかのように、早口でまくしたてる。
でも東南アジアの農村なんかはここの十倍はひどかった、まだここはマシだが、それでも居心地良いとは言いがたい。

暑い~。
道はフラットで走りやすいが、この暑さはかなわん。

あまりの猛暑。
ランチはアイス以外食べる気になれない。

超ミニミニアイス×3個とドリンク、計8ソル(279円)。

プエルトマルドナードという、この界隈では最大の街で2泊。
宿探しでは、料金よりもまずWi-Fiの有無を確認。
でも心配御無用、これぐらいの規模の街だとちゃんとあるようだ。

40ソル(1504円)。




青白く輝く大きな蝶が道路を横切った。
あんな美しい蝶を見るのは初めて。

ここは有料道路(自転車はフリー)。
料金所に木陰があったので座って休憩していたら、警備員が弁当を持ってきてくれた。


こういうのは本当にたまらんくウマイ。
がっつきむさぼり、一瞬でたいらげた。
持っていた水がお湯と化していたので、冷水に入れ替えてくれた。

悪いことばかりなんてことはない。
こんな時ほど不意に、親切にしてくれる人と出会ったりする。

轢かれるよ。




アップダウンになってきた。

右方向にジャングルを入っていけば、ボリビアとの国境。

茶色く尾の長い動物が道路を横切るのを見た。
サルではなさそうだ。

エンドレスアップダウンに早くもウンザリしてきた。



蚊が出てきた。


Assis Brasil, Brazil

14611km (Total 151305km)



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