オークランド 1 (New Zealand)

宿に着き、荷物を置き、すぐさま自転車屋へ。

個人経営の小さな店。
数日待つことになる想定もしていたが、ものの数分でパーツ交換してくれた。

少し話しただけで、知識豊富で腕のたつ人であることが伝わってきた。
自転車で日本を旅したこともあるそうだ。

もうひとつ、大事な用。
なんとかシュワルベを入手したい。
ニュージーランドではシュワルベは出回っているようだが、今の御時世「26インチ亅と言うと難色を示す。
昔は26インチがスタンダードだったのに、今や主流は29インチ。
しかし、2日待てば26インチを取り寄せられるという。
いやー、よかった。

ニュージーランドは小さな島国だが、1軒の自転車屋に立ち寄っただけでラテンアメリカとのとてつもない差を見せつけられた。

最大の街オークランド(首都ではない)。

日中最高気温、12℃。
ようやくようやく、イカれた暑さからの解放。
もう当分は暑いのは御免。
しばらくはこの天然の冷房で避暑。

ニュージーランドに着いてすぐに、気づいたことがいくつもある。

まずは、今まで旅した英語圏の中で最も聞き取りやすい英語。
オージーイングリッシュに近いのかなと思いきや、オージー独特の発音やアクセントとはまったく共通性はない。
日本人の耳にもスッと入ってくるし、多民族なのでこちらの英語が下手だとしても冷たくあしらわれることもない。

それから、やたらと「Sorry, sorry」と言われる。
特に悪いことしたわけでもないのに口癖のように謝る民族、イギリス人、アイルランド人、ニュージーランド人、日本人。
閉ざされた土地で衝突を避け人間関係を円滑にするための島国特有の戦術なのかな。

そして何といっても、圧倒的なアジア人の多さ。
まず空港に着いた時点で、英語と漢字の二言語表記だった。
街を歩いていて最もよく見るのは、日中韓の若者。
旅行者ではなく、ほとんどが留学生か居住者。

プリウス多めだな。

テスラも。

アメリカ、カナダ、オーストラリアと同様、ここもアングロサクソンによって開拓され、労働力として移民を寄せ集めて形成された多人種国家。
オークランドは40%が海外出身者だという。

飲食店はアジア系ばかり。

100mおきぐらいに「Sushi」という文字を見かける。

コンビニやスーパーもアジア系が幅をきかせている。

日中韓の店が最も多いが、他にもインド、タイ、トルコなど、実に多様。

日系スーパー。

でかっ!!!

今まで見たどの日系スーパーとも比べ物にならない。
日本のスーパーそのものじゃないか。

調味料から菓子まで、くまなく取りそろえている。

カレーも。

辛口と中辛しか置いてない店だと本当にガッカリなのだが、しっかり甘口もある。

冷凍和菓子。

おお、ほんと久しぶり。

奥は日用品コーナー。
百均的なアイテムがそろっており、オールNZ$3(261円)。

店員さんは日本人、客も全員ではないが日本人、なつかしの日本語が聞こえてくる。

しかしよくここまで膨大な品数をそろえたな。
興奮してしまって長時間店内をぐるぐるとまわり、その間ずっとニヤけっぱなしで、「すげーすげー」とずっと独り言を言い続けていた。
気持ちとしては店ごと買い占めたいぐらいだったが、現実には菓子やカップラーメンですら気軽に買える値段ではない。

悩んで悩んだ挙げ句に思い切って買った、午後ティーとあんぱん。

この店だけでなく、他の店でも日系、中華系、そこら中にある。
アジアの食のバリエーションの豊富さは、他のどの文化圏とも比較にならない。

ノーマルなスーパー。

日本でも電動キックボードが物議を醸しているようだが、ここでは電動キックボードとともに買い物する光景もふつうに見られる。
ウォルマートなんかの巨大カートは邪魔でしょうがないが、これは特に迷惑ではない。

物価は、恐れていたほど高くない。
メキシコと同じぐらいか、若干安い印象。
ニュージーランドがメキシコより安いなんて、やはり世界はもうめちゃくちゃだ。

酪農大国なので牛肉や牛乳がお買い得なのかなと期待してみたが、全然そんなことはなく、やはり全般的には高い。
ただ、中米のような異常な価格崩壊はここでは感じられない。

有人レジはなく、完全セルフレジ&キャッシュレス。

並んで待つストレスゼロ。

有人レジで思い出したが、ここは高齢者が非常に少ない。
移民、留学生、そりゃ若いに決まってる。
セルフレジなんて難しいことは何もないのに、こういった変化にはとりあえず抵抗せずにはいられない老人たちが世の進化にブレーキをかける。

外食も全般的に高く、僕にはムリ。
フィッシュアンドチップス、魚と芋を揚げただけのものがNZ$22(1913円)。

Silverfern Hostelに滞在。
ドミトリーNZ$28(2434円)。

労働者の宿。
インド人、ネパール人、フィリピン人、フィジー人、アルゼンチン人。
多国籍出稼ぎ労働者たち。
無数の言語が飛び交う。

下のベッドは長期滞在の労働者が陣取っており、新参者は上のベッド。
ベッド近くにコンセントなし。
部屋は狭くてカオス、荷物を置く場所にも困る。

騒音地獄。

どいつもこいつも、場所を問わず時間を問わずスマホを鳴らしまくる。
ボリュームなんぞ気にもせずに動画を見る。

そして大声で電話電話電話。
なんでそんな電話することがあるかね。

共用リビングのソファーに腰掛けて、ここは静かで落ち着けるかな、とすぐさま隣に人がやってきてスマホを鳴らしたり電話を始めたり、平然と静寂をブチ壊す。

深夜だろうが早朝だろうがおかまいなし、何の躊躇も罪悪感もないようだ。
周囲に対する配慮が絶望的なまでに欠落している。

バカなアルゼンチン人は、ご丁寧にスピーカーを持参して爆音で音楽を鳴らす。
誰もリクエストしてないよ。
こういう騒音野郎って、世界中どこへ行ってもドコドコ系の似たような音楽を鳴らす。
センスのある音楽を流す騒音野郎はいまだかつていない。

スペイン語とはもうおさらばしたつもりだったのに、さっそくスペイン語が聞こえてきて、ラテンアメリカでウンザリするほど聞かされた単調なドコドコ系BGMをまた聞かされる。

イヤホンという護身アイテムなしでここにいたら、きっと僕は心の病気になる。

労働者たちは当然、自炊する。
夕飯時のキッチンは大混雑。

東南アジア系の人たちは僕に話しかけてくれる。
日本人だと答えると皆ニッコリと笑ってくれる。
民度は崩壊しているものの、皆フレンドリーでピースフルだ。

日系スーパーで買ったカレーと米。

米は、メキシコで売ってたスシライスよりはるかに安くてはるかにおいしい。

そばとめんつゆ。

オーストラリアのホステルでもこういう貼り紙があった。

日本も、今後大々的に外国人労働者を取り入れていく流れはもう止められないかもしれない。
個人的にはまだ他に策があるとは思っているのだが。
世界の移民国家とはまったく異質な歴史を歩んできた単一民族の島国日本。
一度やり出したらもう後戻りはできない、覚悟しないとね。



Auckland, New Zealand

20695km (Total 157389km)



このブログの人気の投稿

旅再開

札幌生活