メキシコ(Cancún) → ニュージーランド(Auckland) フライト

ニュージーランドビザ

3ヶ月滞在可。
入国前72時間以内に「NZeTA」というアプリで登録して承認を得て、NZ52$(4491円)支払う。
ビザとは銘打っていないが、実質これがビザといえる。
2年間有効。

このアプリはオフラインでは起動しないので、いざという時のためにスクショ保存しておいた方がいい。

Cancún → Tampa

カンクン市街中心から空港まで約20km。
ロングフライトになるのであまり汗をかきたくないのだが、道はフラットにもかかわらずこの20km走行で汗だくに。
パッキング作業は、エアコンの効いた空港建物内でできたのは幸いだった。
これを外でやらされたら、またどうしようもないほど汗まみれになっていただろう。

またしても、カートなし。
空港からカートを消滅させるこの風潮は世界的なものなのか、それともラテンアメリカだけなのか。
ほとんどの乗客はキャスター付きのスーツケースやバックパックなのでカートがなくても支障ないだろうが、僕は多いに支障ある。
この大荷物をチェックインカウンターまで引きずるのがどれほどの労苦か。
アメリカ人らしきおばちゃんが、僕が悪戦苦闘するのを面白そうに見て、荷物を運ぶのを少し手伝ってくれた。
しかし荷物1つとっても女性が簡単に運べるような代物ではない。

カートなしで荷物を運ばせる残忍さとは裏腹に、チェックインカウンターの職員はとてもフレンドリーで非常に良い対応をしてくれた。

アメリカ経由なので、このチェックイン時にESTAの提示が求められるのだが、僕は2019年に取得したアメリカビザがまだ有効(10年有効)で、ESTAは不要。

カンクン→オークランドのチケットは約95000円。
荷物代は、チケット購入時にオンラインで買えるのは1個のみで、約12000円。
もう1個分は空港でチェックイン時に支払い、約12000円。

オークランドまで2ストップという旅程でチケット購入したのだが、ここで実は3ストップであることが判明。
カンクンからラスベガスに飛ぶはずが、その間にタンパというフロリダの空港で1ストップ追加。
これはチケット販売サイトのミスなのか、意図的な詐欺なのか。
経由地が1つ追加されるだけでけっこうなストレスが増す、特に大荷物の者にとっては。

チェックイン完了。
搭乗までまだだいぶ時間がある。
軽く何か食べようかと思ったが、どうせバカ高いからやめておこう。
売店でスナックでも買おうかと見ていたら、大好物のジェリービーンズを発見。

値段を見て、目を疑った。
199ペソ(1652円)。

飴に1652円払いますか!?

何の変哲もないサンドウィッチ、235ペソ(1951円)。

狂っとる。
何かの間違いだと思いたい。

どういうわけか、出国審査なし。
今回のメキシコ入国時、5日以内の滞在なら無料だがそれ以上は687ペソ(5703円)を払わされた。
出国時に何のチェックもされないのなら、5日以内と申告していれば無料ですんだのか。

Tampa → Las Vegas

メキシコでは出国審査なしだったが、アメリカではトランジットでも入国審査がある。
係員は世間話でもするかのように、「自転車で旅か、いいねー」といった感じでユルユルで通された。

乗り継ぎ時間は約45分とタイト。
同じ航空会社の乗り継ぎにもかかわらず、いったん荷物を受け取って再チェックインしなければならない。
しかし、アメリカの空港はあまりに広大。
チェックインカウンターに行くだけでも電車に乗らなければならなかったり、その電車が故障中で徒歩で行かされたり、あと他にもなにかトラブルがあったのかわからないが、空港内は長蛇の行列ができて大混雑しており、全然進めない。

ようやくチェックインカウンターにたどり着くと、ラスベガス行きはもう閉じてしまったという。
僕は特にミスを犯したわけではないのに、乗り損ねてしまった。
どうなるのかと状況を見守っていたら、ラッキーなことに搭乗予定のラスベガス行きが大幅に遅延しているということで、搭乗が許可された。

またチェックインカウンターから搭乗ゲートまでの道のりも果てしなく、大混雑で列も進まず、ヒヤヒヤものだった。
しかし結局出発は2時間も遅れ、おかげでなんとかセーフ。

アメリカの飛行機のCAは太りすぎだ。
シートが通路側だったのだが、CAが通るたびに僕の肩にCAの太モモだかケツだかがボヨンボヨンと当たって眠れやしなかった。

Las Vegas → Honolulu

到着2時間遅れのため、ここでの乗り継ぎも大急ぎ。

ラスベガスの空港は、カートが有料で$6(850円)。
クレジットカードを挿して抜くだけで、ロックが解除される仕組み。
この広大な空港でタイトなスケジュールで大荷物を引きずるのは不可能、迷わず6ドル払ってカートを使用。

再チェックイン。
ここでニュージーランドビザの提示を求められる。
また荷物1個分を払う。
$150(21263円)。

電車に乗って搭乗ゲートへ、大急ぎ。
しかしまたラッキーなことに、ホノルル行きも少々遅延しているということで、そこまで急がなくても大丈夫だった。

Honolulu → Auckland

約8時間待ちの乗り継ぎ。
同じ航空会社なので再チェックイン不要、ただ待つだけ。

ここまで機内食なし、昼飯も晩飯もなし、何も食べてない。
物価が高いのはもうわかっている、高くても何か食わなくては。

チャイニーズフード、$14.99(2124円)。

ドリンクなし、水飲み場で水分補給。

ランチボックス、$20.61(2921円)。

コーラだけで$4.69(664円)。

広大な待合場で、コンセントありWi-Fiあり、時間をつぶすのは苦ではなかった。

ハワイっていまだ未踏の地だな。

またしても遅延、オークランド行きの便は1時間半遅れ。

入国カードを渡され、機内で記入。
平均的な入国カードの3倍ぐらい質問が多かった。

機内食は2食付いた。

ニュージーランド入国

23時、オークランド空港到着。
係員がシートの頭上の荷物棚を開け、すべての荷物に消毒スプレーのようなものをくまなく噴霧していた。
神経質そうな国だな。

105ヶ国目となるニュージーランドだが、史上最も厳しい入国審査であった。
日本人はパスポートを機械にかざすだけで通過できるはずなのだが、なぜかうまくいかず、通常の窓口へまわされた。

出国チケットが必要ということで、並んでいる間に空港のWi-Fiにつなぎ、約1万円の最安チケットを購入。
後になって、このチケットはキャンセルしても返金0%であることが判明、1万円をドブに捨てることとなった。
なんだかこういうムダ出費が多いのは僕が情弱だからだろうか。

窓口では、細かいことを根掘り葉掘り聞かれた。
係員は穏やかでわかりやすい英語、それほど緊張感はなかったが、長かった。
無事スタンプが押され、3ヶ月の滞在許可を得た。

それから、荷物検疫。
入国カードに番号を書かれ、その番号別に行き先が分かれる。
僕は、どうやら最も厳重な取調室みたいなところへ。

数十分待たされた後、ようやく番がまわってきた。
すべてのバッグを開けられ、細かく念入りに見られた。
今までの国では、バッグを機械に通してチェックされるのはめずらしくなく、たまにバッグを開けるように指示されることはあってもちょっと開けてチラ見するだけ、というところがほとんどだった。

文字通りすべてを見られるのは初めて。
自転車で長旅をしたことがある人ならわかると思うが、バッグの中に無数のアイテムが仕込んであり、すべてをチェックするなんて、ルールとはいってもめんどくささが勝ってしまうのが人情だろう。
しかも自分の手で開けるのではなく係員が開け、その間僕は荷物に触れてはならないと言う。
係員がひとつひとつ「これは何?」と質問し、僕はそれに答えるだけ。
係員は雑談も混じえて、僕の旅にも興味を持って笑顔で会話してくれたが、質問の数は膨大で、同じような質問もしつこく繰り返された。
やましい物は何も持っていないのだが、また全部パッキングし直さなければならない憂鬱さで気が重かった。

フレッシュフードを没収される国はたまにあるが、今回は当然、フライトで荷物を最小限にするため食料はすべて使い切ってきた。
それでも何度も何度も、「食べ物は持って来てない?」としつこく聞かれた。

テントとトレッキングシューズはいったん取り上げられ、消毒して返された。
神経質すぎるだろ。
テントは大雑把にたたまれてモコモコ、これもきれいにやり直さないと。

さらに、係員は自転車や荷物の数ヶ所にテープを付けてはがし、付着した物質を検査しているようだった。
何かに取り憑かれているのか?

ようやくクリアし、すべてパッキングし直す。
係員もちょっと手伝ってくれたのだが、やはり雑でヘタクソ、バッグがモコモコになる。
きれいにコンパクトに収納するのって、大変だしセンスも問われるのよね。

この検疫だけで、僕1人に1時間近くもかけた。
島国特有の防衛本能だろうか、イギリス入国も厳しかったけど、ニュージーランドはその何倍も厳しかった。
でもキューバやマダカスカルやアイスランドなんかは厳しくなかった。
日本は外国人にとってどうなんだろう。

晴れて自由の身となったのは、深夜2時。

ここから自転車の組み立て。
乗り継ぎが多いとそれだけ破損や紛失のリスクも高まるのだが、毎度無事に届けられるだけでもホッとする。
建物内での作業は許可されず、外に追い出された。

組み立ての途中で、ヘッドパーツ、つまりフロントフォークの回転をハンドルと連動させるシステムのネジが空回りしていることに気付いた。
今回の旅はフライトのたびにハンドルを外していたので、何度も脱着を繰り返すうちに摩耗してしまったようだ。

ハンドルがグニャグニャで、とても走行できない。
とりあえず今日は何らかの交通機関で市街中心まで行き、そこで自転車屋を探すしかない。
結局、一度組み立てた自転車と荷物を再びパッキングするハメになった。

空港から市街中心まで約20km。
タクシーやUberはちょっと高すぎる。
空港の職員が僕に話しかけてきた。
京都に3年住んでいたそうで、片言の日本語を話す。
彼が僕の事情を察して、バスで行くといいと教えてくれた。
バスはNZ$18(1554円)、オンラインでチケット購入。
大荷物持ち込みも可。
この時3時半、バスは5時半発で2時間待つことにはなるが、親切に丁寧に教えてもらって助かった。

「Welcome to New Zealand!」
こう言ってもらえるとすべて吹っ飛ぶ。

朝、まだ日も昇らず暗かったが、なんとかオークランドの街に到着。
実に長いフライト、そして金もずいぶん使っちまったな。


Auckland, New Zealand



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