東京→宇都宮

荒川。

国道4号を北上。
内陸でもフラットが続く、関東平野。
風景の変化は緩やかで、少しずつ都市圏を抜けていく。
今は風景を楽しむよりは、ベストコンディションの自転車をこぐ快適さ。

栃木県とかいう未知のエリアへ突入。

銭湯へ。
今は銭湯もさぞかしお高いのだろうと思いきや、330円。
市営の福祉センターだからこんなに安いのか。
下駄箱に靴を入れるのに100円、脱衣所のロッカーで100円。
使用後に返ってくるやつだが、やはりまだこういうので現金が必要になる。
券売機や自販機もすべて現金のみ。
見た限り利用者は老人ばかり、たぶん僕が一番若い。
こういう施設ではキャッシュレスはまだ程遠いのか。

スーパーへ。
夕方の惣菜コーナー、値引き品をあさる。
東京より地方のスーパーの方が思い切った値引きをしていて、お買い得感がある。
全般的にはキャッシュレス&セルフレジはだいぶ浸透してきた。

あとは寝るだけ。
道の駅へ。

雨が降り出した。
店の前で申し訳ないが、濡れたくないので軒下で寝させてもらう。

昔から道の駅は旅人にとって野宿の定番。
もちろん公認されているわけではないので、人目につかぬよう迷惑かけぬよう、こっそりと。
きれいなトイレ、自販機もあり、今はWi-Fiも飛んでいる。

朝。
けっこう早くから清掃作業の人たちがやって来るので、遅くとも6時までにはテント撤収しておく。

明け方にやむ予報だったのに、なかなかやまない。
雨天走行はしたくない、新品パーツでそろえたベストコンディションの自転車をまだ濡らしたくない。

しばらく道の駅で雨宿りして、今日はもうやる気が失せた。
雨上がり後、20kmほど走って宇都宮で宿泊することにした。

ゲストハウス宿郷宇都宮。

無人宿。
予約後にドアコードが送信され、セルフチェックイン。

チェックインは15時から、到着したのは13時半。
部屋に入ることはできなくても建物内の共用スペースで待つことができるだろうと思いきや、ドアコードは毎日変えられるようで15時にならないと今日のコードが有効にならない。
1時間半も、外で待つことに。
無人化機械化は大いにけっこうだが、時間厳守で融通が利かないところは日本的だな。

これは一応個室と呼べるのかな、めずらしいタイプの部屋。

3500円。

ベッド下に全荷物を収納できた。

「迷惑行為お知らせボタン」
迷惑行為をしているお客様がいたらボタンを押してください。
スタッフが見回りします。
だって。

こんなのは初めて、これもきわめて日本的。
スマホを鳴らし大声で電話するのが当たり前の他国の宿でこのボタンがあったら僕は毎日押しまくっていただろう。
まあ他国ではこんなの成立するわけないけど。

この日は、夜遅くに長期滞在っぽい人が2名ほどいたっぽい。
それまでは僕ひとりで独占。

狭小なスペースにきめ細かなサービスをぎっしり詰め込む、日本的。
貼り紙だらけ、注意書きだらけなのも、日本的。

日本は食パンでさえ驚異的においしい。

ほとんどの国ではトースターは、縦に入れて焼けるとボンッと飛び出てくるやつ。
あれだと、バターやチーズやジャムを塗ってから焼くということができない。
ただ焦がすだけで、ビスケットのように固くなったパンにのびないバターをカサカサと無理にこすりつける、粗末な食パンの記憶しかない。

久しぶりに、マーガリンをたっぷり塗ってとろけるチーズを乗せてトーストしてみた。
焼き上がると、もう手にとって持っただけでおいしい!
手で持った感覚だけで、とてつもないおいしさが伝わってくる。

食べてみると、もうーーーーーー感動!!!
サックサクのフワッフワ。
チーズのとろけ具合、マーガリンのジューシーさ。
こんなの他国ではありえない。
一斤100円の食パンだが1000円払ってもいいぐらい、世界最高級。
たかが食パンで、泣きそうになる。

芸が細かい、日本的。

アナログ手書きでも、こういうのは気持ちがこもっていていいものだ。
宇都宮グルメの紹介、各店のQRコードまで貼ってある。

バスルームも超きれい。

もしかして、日本の旅ではシャンプーを買う必要がなかったかな。
銭湯でも宿泊施設でも、シャンプー、コンディショナー、ボディソープとそろっており、ここはメイク落としまである。

芸が細かい。

サービスが細かい。

宇都宮駅前。

大半の国では、ひとたび都市から離れれば荒野あるいは農村が果てしなく続き、とてつもない地方格差を見せつけられる。
この国では、宇都宮でも一国の首都として十分通用するほど、あらゆるモノやサービスが超絶ハイクオリティで細部まで行き届いている。
恵まれすぎだ。

とちおとめソフト。
さすがにソフトクリームに680円は払えん。

餃子4人前、1760円。

餃子屋さんでもタッチパネルで注文&セルフレジで便利なものだが、日本語一択なので外国人には難しいかな、でも写真付きだからなんとかなるだろう。

餃子に関しては、中国・台湾の圧勝かな。
日本の餃子もおいしいはおいしいが、本場中華圏と比べると、スケールの小ささを感じずにいられない。

餃子4人前食べて、腹三分目といったところ。
そろそろ自炊に切り替えないとエンゲル係数死する。


福島県白河市

425km



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