ブラジル(Ponta Porã)→パラグアイ(Pedro Juan Caballero) 国境越え
南下してBela Vistaという街からパラグアイに入国するつもりだった。
ルート的にそれでスムーズにいくのだが、よくよく調べてみるとそこにはイミグレーションがないらしい。
パスポートにスタンプをもらえないまま、不法に入国できてしまう。
途中どこかの路上検問でパスポートチェックされ、スタンプがないと突き返されるパターンか。
やむをえず、確実にスタンプがもらえるPonta Porãという街まで、わざわざ130kmも遠回りして向かった。
途中から、道は国境に沿って進む。
左の舗装路がブラジル、右の未舗装路がパラグアイ。
両国間の境界には、柵も壁もない。
それどころか道路が連結されていて、何の障壁もなく行き来できるようになっている。
家屋が現れるようになった。
ブラジルとの格差が明らかだ。
すばらしい追い風に助けられ、一気に130kmを走りきった。
国境の街Ponta Porãに到着。
Shelter Hostelに投宿。
1泊40レアル(1012円)。
Booking.com上ではドミトリーとなっていたのだが、実際は個室。
エアコンなし、窓なしの密室。
換気扇なんてものは存在しない。
でも新築できれい、立地も良く、個室でこの料金ならお得。
キッチンもない。
ホステルのイメージで来たのだが、これはホテルだな。
すぐ目の前にあるショッピングモールで食事をすます。
このショッピングモールは、ブラジルではなくパラグアイ。
もうはっきりわかったが、ブラジル-パラグアイ国境はフリーボーダーなのだ。
シェンゲン圏以外でフリーボーダーは初めてかも。
バーガーキングで注文。
ダブルワッパーチーズのセットで53900グアラニー(1059円)。
まだパラグアイの通貨は持っておらず、カードで支払い。
目に見える境界は何もないのに、言葉が変わり、通貨が変わる。
一気にスペイン語の記憶がよみがえり、会話がちゃんと成立する。
ブラジルに2ヶ月近くいたけど、ポルトガル語はよくわからんかったな。
世界中がフリーボーダーになったら楽だろうな、とも思ったが、人間の本性がそうはさせないだろう。
翌日。
宿に荷物を置いたまま、徒歩でイミグレーションまで行って出入国手続きをする。
手ぶらで出入国手続きなんて初めてだ。
【出国】
宿から1kmほど。
朝から夕方まで開いており、昼は2時間ほど閉まる。
窓口でパスポートを提示して、出国スタンプをもらうだけ。
係員はごく初歩的な英語は話せるようだった。
【入国】
次に、パラグアイ側のイミグレーションへ。
これは宿から見えるほど近い。
まずは建物内の「SANITARIO」と書かれた窓口へ。
そこでパスポート、ワクチン接種証明、そしてイエローカードの提示が求められる。
ワクチン証明はアプリを見せるだけでOK。
イエローカードも持っていたので問題なかったが、パラグアイ入国に必要だとは知らなかった。
次にパスポートコントロールの窓口へ。
こちらからあいさつしても無反応、あえて無表情の表情をつくるオバちゃんがドッシリと座っている。
なんかこういうのも久しぶりだな。
「英語なんか話さねえよ」という感じを出してきたので、スペイン語のみでやりとり。
職業、行き先、滞在予定の宿名と住所、など簡単な質問を2、3されただけ。
ブラジルの電波は届いているので、滞在先の住所などは事前に調べていなくてもその場でサッと検索。
難なく、入国スタンプが押された。
90日以内の滞在ならビザ不要。
最後に笑顔で「グラシアス!」と言ったら、オバちゃんが仏頂面のまま、グイッと親指を立てたのがなんかウケた。
一応マスクを持って行ったのだが、誰もマスクなんてしてない。
宿から徒歩の移動時間も含めて、トータル1時間で出入国完了。
この先しばらくは大きな街は現れないので、両替、SIMの購入、その他買い物をしておきたい。
しかし、またよりによって日曜日。
大型スーパー以外は閉まっている。
仕方なく延泊。
日祝に店を営業してくれないと、地味に旅のペースを狂わされる。
すでに僕はブラジルを出国してパラグアイにいることになっているが、Shelter Hostelで延泊することにした。
パラグアイ側にはあまりいい宿はなさそうだし、わざわざ移動する理由もない。
それに、ここけっこう居心地良い。
翌日。
パラグアイ側の街Pedro Juan Caballeroには、両替屋がたくさんある。
ブラジルでは基本カード払いで、現金はほぼ使わなかったため、余ったレアルをグアラニーに替えた。
次に、ATM。
パラグアイではどの程度カード払いが浸透しているのかわからないため、もう少し現金を用意しておいた方がいい。
ところが、ない。
そこそこ大きめの街なのに、銀行も少なく、銀行の中にもATMがない。
宿の近くのShopping Chinaの中に1台だけあり、そこで現金を引き出せた。
一度の引き出しで25000グアラニー(495円)の手数料がかかり、一度に引き出せる額、一日に引き出せる額も制限されているようだ。
それから、SIM。
ClaroとTigoの2社をあたってみたが、身分証明として通常はパラグアイのIDを提示するそうで、パスポートは不可、あるいは登録するのに1~2日かかると言われた。
こんなことは初めて、今までの国ではパスポートでOKだった。
でもまあ、SIMを買ったとしても街から離れたら電波消失しそうな国、街に着いたら宿のWi-Fiでネット接続できるだろうから、まあいいか。
ということでSIMは断念。
国境の街でのんびり3泊。
ゆっくり休めた。
Ponta Porã, Brazil