イグアス三国国境越え (Paraguay→Brazil→Argentina)

パラグアイ→ブラジル

パラナ川に架けられた橋が国境となっている。
橋のだいぶ手前から大渋滞。

国境の街シウダーデルエステ。

首都よりも国境の街の方が栄えてしまう国、パラグアイ。
いやアスンシオンも国境の街なのだが、アルゼンチンとはフリーボーダーにはなっていない。
ここはブラジルとの自由な往来で経済が活性化されている。

その辺で両替屋が座っており、余ったグアラニーをドルに替えた。
世界中で両替してきた者としては警戒心をぐっと上げる瞬間だが、ここの両替屋は特に悪さをしそうな気配がなく、何の問題もなかった。

橋の手前にイミグレーションがあり、出国スタンプをもらう。

このブログでは、国境の写真はあまり紹介してこなかった。
国境はたいてい撮影NGなので。
一応警備員が立っているものの、このフリーボーダーにはこれといった規制もない。
車も、手続きなどせず素通りしている。
この渋滞は、多くの車が一本の橋に集中し、かつバンプで一時停止することによる自然渋滞と思われる。

車道は大渋滞だが、自転車と歩行者は歩道で。

右がパラグアイ、左がブラジル。

思えばパラグアイでは、一度もパスポートチェックをされることがなかった。
仮に入国時も出国時も何も手続きせず、ノースタンプのまましれっとブラジルに戻ってきたとしても、まったく問題なかった。
ただ、万が一どこかでパスポートチェックされてスタンプがないことがバレたら、不法入国で捕まることになる。

パラグアイグアラニー。


ブラジル側ではスタンプ不要、何もせずスルー。
カード社会なので現金も不要。
滝だけ見て、3泊して出国。

ブラジルレアル。



ブラジル→アルゼンチン

イグアス川に架けられた橋が国境となっている。

橋の手前でブラジルのイミグレーションが現れるが、何もせずスルー。
この三国国境越えにおいては、ブラジルにいたという痕跡は残さなくていい。
公式には手続きすることになっているのだろうが、実情としては手続きなしで通過できてしまう。

右がブラジル、左がアルゼンチン。

アルゼンチン入国は手続きが必須。
越境者は比較的少なくても、やはり車は渋滞する。

橋を越えて少し進んだところに、アルゼンチンのイミグレーションがある。
車は渋滞していても、自転車歩行者用の窓口はガラ空き。

必要なものは、

・パスポート
・オンライン誓約書

オンライン誓約書は、入国する48時間以内にDeclaración juradaに必要事項を入力する。
完了するとPDFが送信されてくるので、入国時にそれを提示する。

これはスマートでいい。
その場で入国カードを書かされたり質問されたりなどは、交通を滞らせるだけだ。

オンライン誓約書の質問のひとつに、「COVID-19のワクチンを接種したか?」というのがあるが、「YES」で答えて、その証明を求められることはない。

公式には、アルゼンチン入国には「COVID-19治療費をカバーできる海外保険証書の提示が必要」となっている。
これが僕にとってネックだった。
ムダ金を払いたくないのでこの条件が撤廃されるのをずっと待っていたのだが、もうやむをえず、オンラインで保険に加入して証書を用意し、準備万端でのぞんだ。

しかしなんと、実際の入国では保険については何も言われなかった!
当然保険は前払いなので、もう取り戻すことはできない。
本当にムダ金となってしまった。

多くの旅人が行き来する時代であれば、こういったことも旅人同士の情報交換で事前に把握できていたかもしれない。
今はどんなに検索しても、実体験した人の情報はパンデミック以前のものばかりで、現在の知りたい情報は出てこない。

アルゼンチンでは、数年前からパスポートにスタンプは押されず、デジタルな手続きのみとなっている。

その後、持っていたバッグを機械に通して、フィニッシュ。
僕の自転車には大荷物が積んであるが、それは別にどうでもいいらしい。

90日以内の滞在であればビザ不要。

国境係員たちは、妙に愛想が良かった。
入国で笑顔を見せてくるなんて、なかなかめずらしい。
ただ、誰も英語が通じない。
こんな世界的な観光地の有名な国境なのだから、基礎的な英語ぐらいは話せるようになった方がいいと思うよ。

かくして、緊張気味でのぞんだアルゼンチン入国も、なんともユルユルで拍子抜けした。


アルゼンチンペソの両替

アルゼンチンには公定レートと闇レートがある。
第二次大戦以降、経済失策の泥沼に沈み続けているこの国でペソ下落やインフレは今に始まったことではないが、特にここ最近は記録的な現象が見られる。

公定レートだと、
US$1=131ペソ

今年7月1日の闇レートでは、
US$1=239ペソ

そして今日7月28日の闇レートが、
US$1=318ペソ

公定レートに対して2.4倍、と爆発的なペソ史上最安値を更新している。
日本円も歴史的な危機に瀕しているところだが、旅行者としては現地通貨の暴落は悪いニュースではない。

わかりやすく現在の日本円に換算すると、

公定レート
1ペソ=1.02円

闇レート
1ペソ=0.42円

つまり100ペソの買い物をするのに、公定レートだと102円、闇レートだと42円で買えるということになる。

キャッシュカードで引き出したりクレジットカードで払ったりすると公定レートで引き落とされるので、アルゼンチンでは完全現金でいく。
なので、あらかじめパラグアイで十分な額のドルを用意しておき、アルゼンチン入国後に闇両替する。
パラグアイのATMではドルを引き出すことができるが、1回の引き出しで500円ほどの手数料が取られ、1回の引き出し限度額がUS$300、1日の引き出し限度額がUS$600、という制限がある。
かつ空前の円安ということもあり、ドルを用意するのにも多額の円を支払った。
残高が一気に減ってしまってさびしい気持ちになったが、それでもアルゼンチンで公定レートで払うわけにはいかない。
ちなみに、100ドル紙幣と他の紙幣ではレートが変わるらしいので、すべて100ドル紙幣で用意する。

今まで旅した国だと、スーダン、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、などの国で闇両替が横行してた。
そういった国ではたいてい、こちらから出向かなくとも闇の人が寄ってきて、好レートで両替できた。
しかし今回アルゼンチンでは、入国してもそれらしき人が見当たらない。

Western Unionで両替してみた。

世界的に名の通るかのWestern Unionが、違法である闇レートを扱うわけがないはずなのだが、なんとUS$1=310ペソで両替してくれた。

US$300を両替したら、札束ドカッときた。

1000ペソ=432円、それが93枚きた。
こういうのも、闇の国ではいつものこと。
高額紙幣が流通せず、分厚い札束を持ち歩くことになる。

窓口のオバちゃんも、なんかニコッと笑ってくれた。
アルゼンチン人ってこんなに愛想良かったっけかな。

先日ブラジルのイグアスで出会ったドイツ人から聞いた話だが、Western Unionでアカウントをつくり、自分の口座から送金するとコードが得られ、そのコードをWestern Unionの店舗で提示すると、ペソがもらえるそうだ。
もちろん闇レートで、手数料も少額ですむらしい。

この方法であれば、わざわざドルを用意する必要がないということになる。
すでに十分な額のドルを用意してしまったのでドルを両替しながら旅を続けてもいいが、いざという時のためにこの送金両替システムを利用するのもいい。
まだ実際に試してないので、正確なところはわからない。

外国人にとって、今のアルゼンチンは安くてお得に旅行ができる。
でも元手が日本円で、かつ二重三重の多額の手数料を払った損失を思うと、額面上の値段が安くても、そう単純には喜べない。
しかもインフレ率も記録的なので、今後の動向も目が離せない。


Puerto Iguazú, Argentina



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