聞慶→亀尾 (South Korea)

韓国のほぼど真ん中に位置する聞慶(ムンギョン)という街の宿。
オーナーが自転車好きのようだ。

屋内で靴を脱ぐのはアジアだけではない。
欧米でも数十軒の民家でお世話になったが、一般的なイメージに反して多くの家庭では靴を脱ぐ。
ただ、どの国の家も「ここから先は靴を脱ぎなさい」という明確なラインがない。
靴を脱ぐスペースがあり、明確に段差がつけられた「敷居」があるのは、僕の知る限り日本と韓国だけだ。

この宿では屋内用にスリッパが用意されているが、僕には小さすぎて入らない。

ドミトリーだが実質個室、26592ウォン(2982円)。

多くの国ではドミトリーは男女ミックスがけっこうふつうだったりするが、やはり日本と似ていて韓国は男女隔離の傾向が強い。
予約サイトを見渡していても「女性専用」というワードでいちいち弾かれる。

ここも床暖房。
床が暖かければ分厚い布団も必要ないということか。

立派なキッチン&ダイニング。

なんと食パンや卵がフリー。
卵なんてしばらく食べてないな。

そしてなんとなんと、ここにあるラーメンやコーヒーがすべてフリー。

さらになんとなんと、オーナーがディナーをつくってくれる。
韓国名物、カレーライス。

昔からずっと、キムチに唐辛子さえ入ってなければ僕も食べられるのに、と思っていた。
初めて知った、「水キムチ」という唐辛子なしキムチが存在するということを。
これでいいじゃん。

僕の他に、韓国人女性1人と韓国人男性1人の旅行客。
オーナーはベーシックな英語を話し、女性は流暢な英語を話せる。
おかげでたくさん会話できた。

最も驚いたのは、韓国人でも辛いものが苦手な人がいるらしいということ。
ここにいた彼女も辛いものがダメで、辛ラーメンなんか食べられないという。
それでこの国で生きていけるのか。

翌日は丸一日、雨。
連泊。
ほぼ外出せず、部屋にこもっていた。

メンバーも変わらず、また一緒にディナー。
韓国名物、フライドチキン。

久々にまともにたらふく食えた。
オーナーに、「リョウさんのおかげで賞味期限間近の食料をたくさん片付けられたよ」と礼を言われた。

多数の東屋。
機能性、デザイン性、ともにすばらしい。

聞慶(ムンギョン)から亀尾(クミ)という街まで約100km。
この区間は店一軒もなし。
人々はどうやって生活しているのか。

桜並木か。

まだ早すぎて残念、と思っていたら咲いてるじゃないか。




前半は漢江(ハンガン)沿いだったが、後半は洛東江(ナクトンガン)に沿って行く。

大河沿いでも、いつもフラットというわけではない。

写真じゃまったく伝わらんが、とんでもなくエグい傾斜。
空荷、いや徒歩でもキツいだろう。

自動車道はおそらく傾斜の限度が法令で定められているのだろうが、自転車道はそんなの関係ないので、しばしば登山道並みのエゲツない坂が現れる。

韓国で自転車道の整備が行き届いているのは、地形はもちろん、都市部への一極集中により地方で有効活用できる土地が広々とあるためだろうか。
それだけでなく、政府や権力者の嗜好というのもある気がしてならない。

日本の道路の、自転車に対する嫌がらせとも思えるほど劣悪な環境は、居住に適さない山地が多く居住に適した平地に人口が集中しすぎて土地の活用が難しいため、だけではない気がする。
政界と建築業界の癒着によって道路がつくられる日本では、そもそも政治家も土建屋も自転車なんか乗らない、道路なんて車さえ通せばあとはどうでもいいだろ、という権力者の無配慮あるいは敵意が、道路環境ににじみ出ている。

権力者が自転車好きでなかったら、こんなデザインにするわけないよな。
やっぱり嗜好が伝わってくる。

岸に道をつくれないようなところでは、わざわざこんな長い橋を。

しつこいようだが、本当に日本より人口密度高いのかね。

キバノロ。

角がない代わりに長い牙が生えてる、というとても風変わりなシカ。
ものすごい勢いで逃げて行ったので牙は確認できなかった。



Busan, South Korea

32379km (169073km)



このブログの人気の投稿

旅再開

札幌生活