サンティアゴ 1 (Chile)
ひたすら下る。
アルゼンチンで出会ったアメリカ人サイクリストのポールは、数ヶ月前にここで越境しようとチリからアルゼンチンへ向かったが、積雪のため閉鎖されていたらしく、別のポイントから越境したという。
よかったんじゃないかな。
ここでチリ→アルゼンチンの越境となると、こんな地獄のヘアピンカーブを登ることになるから。
登る標高(3200m)は同じでも、傾斜によって労力が異次元だという顕著な例。
15年前も、このカーブを見下ろして逆方向じゃなくて良かったと胸をなで下ろした記憶が残っている。
アンデスは概ね海側が急傾斜となっている。
下って下って標高500m、首都サンティアゴ。
滞在した宿は、中央広場のこの建物の最上階。
Plaza de Armas Hostel。
ドミトリー12000ペソ(1854円)。
朝食付き。
スタッフは英語を話せる。
バルコニーから広場を一望。
スタッフから酒を渡された。
独立記念日だそうです。
どうりで、そこらじゅうに国旗が掲げてあったわけだ。
酒を飲むなんて何年ぶりかわからんけど、そのとろけるような甘さはスイーツそのもの。
これはイケる、と一気に飲み干してしまった。
この酒はTerremoto、スペイン語で「地震」という意味。
なるほど、足がグラついてもう立てやしない。
チリは、世界観測史上最大の地震を経験している国です。
独立記念日をもたない国は日本、タイ、ヨーロッパの数ヶ国。
他にもあるかな。
国の成り立ちに深い思いを馳せる人たちもいれば、特に馳せない人たちもいれば、とりあえずどんちゃん騒ぎしとけという人たちも、いろいろ。
翌日。
広場は閉鎖され、楽隊が行進し、式典が催された。
なんという特等席。
この宿に決めて大正解だった。
チリ大統領。
ちなみチリの独立日は1818年2月12日となっている。
スペインからの独立に向けた政治委員会の設立が決議されたのが1810年9月18日で、現在はその日が祝日となっているらしい。
200年も前のことだし、細かいことを気にする人もいないだろう。
いやでもアメリカ合衆国の方が歴史が古いんだな。
日本の建国記念日は、実在したかどうかの確証もない神武天皇の即位日という神話レベルで、多くの人にとってどうでもいいことかもしれない。
それでも、国の成り立ちというのは自分のルーツにも関わるもの。
内にこもっていると無関心でも生きていられるかもしれないが、こういった他国の独立記念日を目の当たりにすると、考えさせられる。
ちなみに僕にとって9月18日といったらJimi Hendrixの命日。
まさかチリの独立記念日も同日だとは、来て初めて知った。
Santiago, Chile