襟裳→札幌
襟裳岬。 人っ子一人いやしない。 2001年にここに来た時、カニが豪快にぶち込まれたラーメンが衝撃的にうまかったのが記憶に残っている。 職人が技巧をこらしてつくる地味なラーメンよりも、結局食材の強さがモノを言う、というのはあると思う。 特に北海道の食は、なんたって素材が強い。 多少奮発してもいいから、その土地ならではのおいしいものを食べてみたい、と常々思ってはいる。 今回こそ、、、 全滅。 Google Mapsで「OPEN」と書かれていても、冬の北海道では「CLOSED」であることを想定しておく必要がある。 宿も、Google Mapsでは数軒が営業している風に見えるが、実際営業しているのは1軒のみ、でもそこは高すぎて泊まれない。 料金などの情報もアップデートされておらず、えらい安いなと思ってもそれは物価高騰以前の料金で、最近のレビューを読むととんでもなく跳ね上がっていたりする。 ここは暴風地帯。 宗谷にしても根室にしても、突き出た半島というのは風がよく吹き抜ける。 特に襟裳岬の風は、全国でもトップレベル。 テント張れない。 よって襟裳岬の唯一の寝場所は、バス停。 周辺の村にもバス停が多数あり、うまいことに岬にもある。 屋根と壁がある、それだけでもう怖いものはない。 今はバスに乗る人も旅をする人もほぼおらず、シェルターとして独占させてもらう。 快適。 トイレもある。 店は全滅で人っ子一人いない岬でも、唯一トイレだけは常時利用できる。 最近リフォームされたのか、きれいだし暖房も効いている。 水道も、よくあるセンサー式のじれったいやつではなく、蛇口をひねればしっかり水が出てくる。 バス停じゃ寝れないという人は、最悪トイレのこのスペースでビバークできるだろう。 夜中に人がやって来ることはあまりないと思われる。 夜は吹雪いたようだ。 バス停の扉のわずかな隙間から雪が吹き込み、シュラフが凍りかけていた。 暖流の黒潮と、寒流の親潮がぶつかり、雲や霧が発生しやすい。 日本らしからぬ、荒涼とした風景。 向かい風。 西進する限りは、向かい風。 一応まともにこげる程度ではあるが、ペースはノロノロ。 なんか怖いから、ここは右側通行させて。 少々アップダウンが続く。 先日のドカ雪、せっかく積もったのに瞬く間に溶けてしまい、路面はドロドロ。 あーあ、また跡形もなく消失。 歯が痛い。 モーレ...